俺は勝負に勝って
嬉しかった。
でも〇〇はまだ
心の準備が出来て
いないみたいだった。
「部長!あのっ・・」
動揺する○○――
「ユノ。
付き合っても
部長って呼ぶつもりか?」
「・・・」
「いつからって
決めておけば
良かったな。
いつからにする?」
畳みかけて
みたけど
やっぱり無理か・・
「決められないか?
・・・そろそろ帰るか。」
あまり〇〇を
困らせても
可哀想だと思った。
少し残念だけど
〇〇の心は見えた
気がしたから
良しとしよう・・
俺は車に向かって
歩き始めた。
〇〇は帰りの車でも
黙ってしまうかな・・
俺は焦り過ぎなのか?
そんなことを
考えながら歩いていると
後ろから小走りで来た
〇〇が俺を呼びとめる。
「部長!!」
「ん?どうした?」
気まずくなったなんて
言うなよ?
俺はいつも通りの
態度で〇〇に
接した。
俺を見つめている
〇〇の目が潤み
始めた。
!?
次の瞬間
〇〇が言った――
「部長・・好きです。
大好き・・です。」
え・・
びっくりして
視線が泳いだ。
〇〇!?
でもすぐに感情が
溢れて来て
〇〇を抱きしめた。
俺の胸に
顔を埋めて
背中に手を回した〇〇は
その手をギュッとした。
俺を求めてくれた
〇〇―――
遅いんだよ・・
少し意地悪が
したくなった。
「苦しい・・・」
体を離したら
〇〇が申し訳なさそうな
顔をして俺を見た。
冗談なのに。
たまらなくなって
俺は顔を近づけた。
キス――
したくなったから。
〇〇はそんな俺を
受け入れるように
ゆっくりと目を
閉じた。
俺は〇〇の
感触を確かめるように
そっと唇を
重ねた――
胸が高鳴る。
「○○・・・」
俺の囁きに
目を開けた〇〇と
至近距離で
目が合った。
思わず言った――
「好きだ――」
〇〇が笑みを
浮かべて俺の
胸に飛び込んで来た。
そしてまた
軽く口づけを交わした。



