会議が終わっても
なかなか席を
立たない〇〇―――
俺は戻ってから
仕事が溜まっていたから
先に席を立った。
でも何となく
胸騒ぎがして
振りかえってみると
それは的中していた。
ユチョンとその後輩の
彼女を見つめる〇〇――
ユチョンが〇〇の
視線に気づきかけて
俺は焦って
〇〇を呼んだ。
「?〇〇
戻らないのか?」
〇〇は俺の方へ
走り寄ってきた。
ほっとした。
でも俺は――
「今日空いてるか?
いつものメンバー
なんだけど・・・」
近距離の〇〇には
十分すぎるくらい
大きい声で誘った。
俺の嫉妬心が
そうさせた。
そしてこの誘いも
思いつき――
断られそうになって
この嘘の誘いに
強引に誘った。
そのせいか
〇〇は車の中で
あまり話そうと
しなかった。
俺が強引過ぎる
からか?
確かに今日の俺は
強引だった。
会議室で
〇〇の前に
ユチョンが飲み物を
置いた時から
俺の嫉妬心に
火がついてしまったんだ。
「〇〇・・
今日は悪かったな?」
会議の時のことを
謝ると〇〇は
気にしていないと
微笑んだ。
俺はトランクから出した
靴を〇〇に渡す。
ずっと居れっ放しだった
靴じゃない――
「部長!?」
〇〇がその靴に
足を入れて驚いて
声を上げた。
「どうだ?ぴったりだろ?」
ユチョンが俺が知らない
〇〇の好きなものを
知っていたことに
対抗心を燃やしたんだ。
俺も〇〇のことを
知っている――・・と。
〇〇の足のサイズ。
俺はこれ以上
待てない気がしてきた。
だから勝負しよう?○○――
「俺が勝ったら
付き合って欲しい。」
〇〇は驚いて
俺に聞く。
「負けたら?・・・」
「その時は
〇〇と彼の仲が
上手くいくように
協力する。
誤解してるんだろ?
あの朝のこと。」
これはゲームであって
ゲームじゃない。
やればわかるから・・・
俺は〇〇の返事も
聞かずに始めた。
〇〇が唖然としたまま
動こうとしないから
俺は勝つべく
○○からボールを
奪ってゴールを決めた――
「1点。
いいのか?
俺勝つぞ??」
俺は〇〇を
挑発した。
このゲームは
本気でやらないと
意味がないんだ。
〇〇が俺の挑発に
のってゴールに向かって
ボールを投げ続ける。
俺がそれを阻止することは
なかった。
ハンデ・・いや・・違う。
〇〇が2本決めた。
最後の一本を
残すところで
最高のポジションで
ボールを手にした〇〇――
俺は見つめた。
〇〇は投げるのを
躊躇して立ち止まった。
「投げないのか?」
さらに俺は〇〇を
挑発した。
この時俺にはもう
〇〇の心が見えた気がした。
最後の一投を
躊躇ったのも
挑発されて投げた
ボールがリングの
縁を回ったとき
思わず漏らした声も
勝つことを避けたから・・
そうだろ?
だから俺は
ゴールを外れて
落ちてきたボールを
2度と〇〇に触れさせなかった。
俺が勝っても
いいんだよな?――
立て続けに
2本のゴールを
決めて俺は勝った。



