それは俺が
〇〇を奪う決意をして
まもなくだった―――
朝出社してから
上の階に用があって
エレベーターホールに
向かうと〇〇がいた。
ボタンを押して
ちょうど
ドアが開かれた
ところで
”上に行くのか?”
〇〇に確認しながら
乗り込んだ――
ユチョン・・
乗り込んですぐに
ユチョンが目に入った。
〇〇と見つめ合う
ユチョンの隣に
不自然な方向を
見て乗っている女子社員――
何かあった・・よな・・
この気まずい雰囲気――
〇〇も
エレベーターに
乗って扉がしまった。
密室の空気が
薄くなったように
なんだか
息苦しい気がする。
どうしたんだ?
〇〇を見ても
下を向いたまま
話しかけるなと
言うオーラを出している。
ユチョンの課のある
フロアで
エレベーターが
止まると
ユチョンと一緒に
女子社員も
降りて行った。
彼女はユチョンと
同じ課か―――
そう思った時
〇〇がユチョンに
走り寄るようにして
エレベーターから
降りて行った。
え?・・・
切羽詰まった声で
”ユチョン!”と
呼びかけると
「ネクタイ曲がってる――」
ユチョンのネクタイを
直した。
あの日の
ユチョンの余裕の
笑みが俺の中に
再び甦る。
〇〇・・
何故そんなことを!?
社内恋愛は
悪く思われるからと
隠していたはずの
〇〇がユチョンの課の
女子社員の前で
そんなこと・・・
彼女の前だからか?
・・・!?
胸が抉られたように
痛んだ。

