久しぶりの
部長との時間――
楽しすぎる・・
でも緊張した。
それに
空きっ腹にビールで
完全に酔った。
酔っ払って話している
どうでもいい
私の話しを
部長は”うんうん”って
聞いてくれる。
時には笑って
相槌を打って・・・
「どうして帰れないんだ?」
部長に聞かれた。
「弟の家に
住んでるんですけど
今日は彼女が
遊びに来るらしくて・・・」
「そうか・・」
「はい。
帰って来るなって
酷いですよね?
だいたいどうして
帰っちゃ行けないの?」
「ん?」
「彼女が来るからって
別に帰っちゃいけなく
ないですよね!?!?」
聞かれた部長が
少し困った顔をした。
私は酔った頭で
一生懸命考えた。
「あ!!うそ!?
そうゆうこと!?」
「どうゆうこと?」
独り言みたいに
喋っている私に
部長が悪戯な顔をして
ツッコんだ。
「だから・・
そうゆう・・」
言ってる途中で
次の疑問が
頭に浮かんできた。
「じゃあどれくらい
したら帰ってもいいの?
・・どれくらいですか?」
「え?・・いや・・
それは・・人それぞれ
なんじゃないかな・・?」
人それぞれか・・
「2時間もあれば
大丈夫かな・・でも
ご飯食べたりする?
だったら・・11時過ぎくらいに
帰れば大丈夫ですかね!?」
あれ?
心なしか
部長の顔が赤い気がする。
部長も酔ってるのかな・・・
そんな部長が
真面目な顔をして答えた。
「そう・・だな・・
久しくしてないからな・・
でもそれくらいあれば
大丈夫だろ。」
酔っていると
怖い。
疑問に思ったことは
何でも口にする。
「してない?誰とも?」
「誰ともって・・
俺は恋人としか
しないよ。」
真剣に返された。
何だか部長が
キラキラしてみえる・・・
もう気にしていない
つもりだった。
ユチョンと彼女のこと――
魔が差しただけ・・
たった一度の過ちだから
許してあげなきゃって
思ってた。
男の人なら
誰でもあることなんだって・・
でも部長の今の言葉。
”俺は恋人としか
しないよ”って
真剣な顔で言える
部長が私の心に
ジーンときた。
「おい?〇〇??
どうしたんだよ・・」
部長がキラキラして
見えたのは
私の目に溜まった
涙のせいだった。
自分が泣いていることにも
気づかないほどの
酔っ払いなのか?私は・・
部長の手が
私の頬に伸びて来て
涙を拭ってくれた。
自然にそれを
受け入れた。
「ハハ・・すみません。
飲み過ぎたのかな?」
「缶ビール一本も
飲んでないのに?」
「あ・・感動しちゃって。
恋人としかしないなんて
言い切れる部長は
凄いと思います。
男の人って心と体は
別っていうか・・」
「男がみんなそうじゃないよ。
証明しようか?
今からウチ来てもいいぞ。」
え!?部長!?!?
それっていつもの
わかりにくい冗談ですよね??
笑っているから
きっとそう。
私も笑った。
「〇〇・・
明日から掃除に
来いよ?」
「え?・・」
「遠くなっても
来れるだろ?
少し早起きすれば
良いだけなんだから。」
「・・そうですよね・・
早く起きられるように
努力します。」
「努力するだけじゃ
ダメだよ。結果も
出してもらわないと。
ちゃんと来いよ?
・・待ってるから――」
え?・・・
待ってるからって
そんな優しい目で
言わないでください・・
部長・・・
私もう・・負けそうです・・



