東方神起~妄想ラブストーリー~


俺は悶々とした

気持ちを抱えて

帰宅した。


今日〇〇の課に

行った時

部長の怒鳴り声が

聞こえてきた。


相手は〇〇。


何があったのか

知らないけど

フロア中に

響き渡る声で

〇〇を怒鳴りつける部長――


〇〇はフロアから

姿を消した。


あんな風に

されたら

ショックを受けるのは

当然だ。


噂通り厳しい

上司なのだと

思った。


〇〇が好きに

なるわけない。


少し安心した。


でもそれも束の間――


〇〇が姿を消した後

席を外していた

部長が戻って来くると

その直後に

〇〇も戻ってきた。


〇〇の吹っ切れたような顔・・


!?・・

一気に俺を

不安にさせる。


そして

部長は〇〇に

大事な仕事を任せた。


不安がる〇〇を

包み込むように

見る目――


何なんだよ!?


二人は俺が思うよりも

親密な関係に

ある気がした。


打ち合わせが

終わった後の

二人が見つめ合って

冗談を交わす姿は

まるで恋人同士――


呆然と見つめる俺の

視線に気づいた部長が

挑発的な目で

俺を見た。


何だよ!?その目は・・



東方神起~妄想ラブストーリー~



〇〇が帰って来て

部屋の電気を点けた。


何でもないように

している〇〇に

腹がたった。


これはただの嫉妬・・


「部長と何かあるのか?」


俺は聞いた。


一度口にしたら

不安が止まらなくなって

どんどん〇〇を

責め立てていた。


そんなこと

出来る立場じゃないのに・・・


「何もないよ。」


そう答えたあと

〇〇の中の

何かが切れた。


責め立てていたはずの

俺が責められる立場に

なっていた。


「私も聞きたいことがある。

ユチョンは

あの子と何なの?

何してたの!?」


”あの子”

そう言われて

すぐに後輩の顔が

浮かんだ。


後にも先にも

彼女としかやましいことは

ないから・・・


”何もなかった”とは

言えなかった。


嘘になるから。


でも――

「好きじゃないよ。」


それだけは

確かだ。


東方神起~妄想ラブストーリー~


俺は最低だ。


自分のことを

棚にあげて

部長とのことを

疑って〇〇を

責めて・・・


窮地に立ったら

声を失くしたように

黙る。


それでも

〇〇の気持ちは

静まらず最後の

問いかけを俺に

投げかけた―――


「何もないよね?」


見つめる目に

もう涙が見えていた。


嘘をつくと

後で苦しくなる。


だから俺は――

「・・・ごめん・・」


酔っていたから

なんだ。


気持ちはなかったんだ・・


彼女に気持ちが

ないことを

〇〇にわかって欲しくて

俺は正直に話した。


嘘で自分が苦しく

なるのが嫌で

〇〇を傷つけた。


〇〇は部屋を

飛び出して行った。


こんな時間に――