東方神起~妄想ラブストーリー~


その日から

俺は〇〇を

監視した。


〇〇がユチョンを

傷つけようと

何か行動に出る前に

阻止してやろうと

思ったから。


ここ数日

〇〇の行動を

観察していて

思ったことは

〇〇がスタッフの

みんなから

好かれている

ということ。


〇〇がいるだけで

店の雰囲気が

明るくなっている

気がする。


その〇〇が

恋人を苦しめて

振ってやろうと

しているなんて

誰も思わないだろう。


〇〇が行動を

起こすことは

なかった。


ただヒョンジュンと

いつも二人で行動

しているのが

気になる。


ユチョンの目の

届くところでは

ユチョンが勘違い

しないように

俺が二人の間に

割って入るようにした。



ある日

仕事が終わって

帰って行くスタッフの中で

偶然〇〇が最後になった

時があった―――


俺は〇〇を

引き留めて

少し話しをしようと思った。


東方神起~妄想ラブストーリー~


「飲めるか?」

「はい。少しなら・・」


ビールをグラスに

注いで乾杯をした。


「ユチョンとは

どうなの?」


飲み始めて

すぐにその

話題に触れた。


「相変わらずです。」


「復讐の意思も

変わらない?」


〇〇は返事を

する代わりに

笑みを浮かべた。


「ヒョンジュンを

利用するつもり?」

「え?そんなこと

しません!」


俺の言葉に

驚いて

すぐさま否定した。


東方神起~妄想ラブストーリー~


「どうして?」


俺の指輪を使って

勘違いさせようと

した〇〇が

ヒョンジュンの好意を

利用しない理由が

わからない。


「ヒョンジュンの

気持ちは利用したく

ありません。

ユチョンに仕返し

したいだけだから。

別れたからって

誰かと付き合いたい

わけじゃないんです。

だから・・」


だから好意を

持っていない俺の

指輪だったのか。


「本当に

ユチョンと別れたいの?」


「!?・・はい。」


「ユチョンの気を

惹きたいだけに

見えるけど?」


「・・初めは

そうだったのかも

しれません。

でも・・・

別れたいです。

もう傷つきたく

ないから。」


東方神起~妄想ラブストーリー~


「じゃあ普通に

別れたら?」


「あ・・そうですね。」

〇〇は笑った。



「人を傷つけて

別れるなんて

結局自分が

傷つくだけなんじゃ

ないのか?」


〇〇はビールの

入ったグラスを

見つめながら

ため息をついた。


「そうなんですよね・・・」


「わかってるなら

もう変なこと

考えるのは

止めろ。

傷つかなくて

済む新しい恋

見つけろよ。」


しばらく

黙ったあと

○○が言った。


「そう・・します・・」


東方神起~妄想ラブストーリー~


「よしっ

今日は飲もう!!

店の酒

開けてもいいぞ。

俺、店長だから!」


俺は嬉しかった。


〇〇が思いとどまって

くれたことが・・?


〇〇がこれ以上

傷つかなくて

済む方法を

選んでくれたことが・・?


俺が〇〇の

歪んだ気持ちを

直してやれたと

思ったからか?


それとも――


ユチョンと別れることが・・?


何が俺を

喜ばせたのか

この時の俺は

気づいて

いなかった。