〇〇に会える。
早く会いたくて
居てもたっても
いられなくなり
いつもより
早く家を出た。
時間厳守の
〇〇だから
もう来ているかも
知れない。
約束した場所で
浮かれて俺は
〇〇を待っていた。
約束の時間の
少し前だった。
「ユチョン?
ごめん、
遅れそうだから
ゆっくり来て――」
いつも遅刻してくる
俺がすでに
その場所に
居るとも知らないで
〇〇が申し訳なさそうに
電話で言った。
「あぁ・・わかった。」
”本当にごめんね”と
謝る〇〇は小声で
何かを気にしながら
コソコソ話して
いるように思えた。
小さな声は
電話口の〇〇を
遠くに感じさせる・・
だから俺は―――
「〇〇・・
来るよな?・・」
「え?なに??」
俺の声が聞き取れ
なかったのか
〇〇が聞き返した。
心配だった。
〇〇が来ない
気がして・・
「今日来れるのか?」
遅れるだけだよな?
2度目の俺の
問いに〇〇は
自信を持って答えた。
「大丈夫!
絶対行くから。」
待つのが嫌だったら
部屋に居てくれて
いいよと言って
〇〇は電話を切った。
さっきまで
〇〇に早く会いたい
気持ちの方が
大きくて
待つことへの
恐怖心も薄れて
いたのに
急にあの
気持ちがよみがえる。
俺はもう
誰も待たない
待ちたくない。
裏切られるのが
怖いから・・・
〇〇は大丈夫
そう思いながらも
俺はその場で
待つことも
家に帰ることも
できなかった。
外に出たまま
何時間も
車を走らせた。


