週刊ジャンプで連載中の堀越耕平の漫画「僕のヒーローアカデミア」の舞台化第4弾。



前回が神野でのAFOとの戦いで終わったことと、キャスト発表に士傑高校メンバーがいたので、今回の舞台は仮免試験が中心となるだろうと予想。仮免試験ということは、デクVSかっちゃん2もあるということか?と楽しみ。


オープニングは前回の神野のラストを思わせるオールマイト。「次は君だ!」のシーンから、家庭訪問。ここでオープニング。♪To be the top one〜♪から始まるオープニングのダンスかっこいいし、プレゼント・マイク(岡本悠紀)の声はいいしで、今回も素晴らしい。ちゃんとダンスがそれぞれのキャラクターらしい動きになっていて、毎回目が足りない。特にA組勢揃いでライト当たってシルエットになるとこは秀逸。ここで、改めて今回A組が全員揃っているにの気づいて嬉しくなった。今回から参加の砂糖(坂上翔麻)くん、尾白(茶谷優太)くんもいい。


第一幕は寮生活から仮免試験の第一次まで。

家庭訪問では、デクママとオールマイト(吉岡佑)の緊迫したやりとりが見られるけれど、よく見ると、舞台後方では耳郎(川上明莉)宅での相澤先生(瀬戸祐介)も演じられていて、そちらも気になる。あのテンションの高いお父さん誰がやってるんだろう…。お部屋対決も装置やミニチュア、プロジェクション・マッピングをうまく使って演出。場が一番盛り上がったのは口田の部屋紹介でのうさちゃん!まさかの爆豪(小林亮太)の登場に会場から拍手と笑いが出ていた。

仮免試験は舞台の傾斜と大きなブロックを使って瓦礫や障害物を表現。全てを見せなくても、観客に想像させるのは演劇の醍醐味。この中で圧縮訓練の様子も見せてくる。イナサ役(白柏寿大)は体格もがっちりしてて、熱血な感じがよく出ていた。Ms.ジョークが時折ダークな感じでアニメと違っててちょっと何考えてるのかわからなくて怖い感じ。


仮免第二次試験からが第二幕。救出しつつ対敵していく中で、イナサとショート(北村諒)の対立もきちんと描いていた。そして、今回の山場であるデク(田村心)VSかっちゃん。初めて吐露されるかっちゃんの苦悩と、それを真っ向から受け止めようとするデクに胸が熱くなった。その後の、相澤先生のお仕置きの場面もきっちり再現!ここは楽しかった。ラストの掃除機かけながら、やっとライバルになれた2人の会話で終わる。

エンディングもお馴染みのナンバー。ラストの「僕が!」の後の「俺が!私が!オイラが!」にグッとさせられる。


今回は敵が出てこない分、A組の生徒たちの成長や葛藤が見られる。オールマイトの事実上の引退を受け、自覚と責任から、これまで以上に真っ直ぐに突き進むデク。表面上はいつも通りながら、生著しいデクへの焦り、オールマイトを引退に追い込むきっかけを作ってしまったことに1人苦悩するかっちゃん。そして、彼らを取り巻くA組。今回は蛙吹(野口真緒)の苦悩や、軟派に見えて、仲間のいいところはきちんと理解している上鳴(佐藤祐吾)、仲間の心をパッと明るくする芦戸(永利優妃)、何考えてるかわからないけれど、みんなと対等になりたいと思っている青山(橋本真一)のセリフが印象に残った。ミッドナイト(木内海美)ではないけれど、若い彼らの成長には元気をもらえる。


今回も幕間はプレゼント・マイクとイレイザー・ヘッドの漫才?小芝居?最初の頃はマイクの無茶振りにイレイザーが巻き込まれる感じだったのに、最近は逆。イレイザーの無茶な要求に、え?これすんの?とマイクが乗っかっていく。今回は仮免にちなんで、自動車免許の話だったけれど、なぜそこでマイクにS字クランクをさせようと思ったのか笑とりあえず寝そべって表現するマイクもなぜ?

そして青山劇場も健在。声がいいし、歌上手いし、空気読まないしで、ホント青山!って感じ。どんどんパワーアップしている気がする。


カーテンコールは3回。デクが話するのかな?のタイミングでまさかの爆豪の「解散!」今回は観客のモブ呼ばわりはなく、ちょっと残念。


今回やっとチケット取れたので、この熱量を直に感じてきたいなぁ。


演出:元吉庸泰