「映画 刀剣乱舞」が公開になって早3週間。舞台を見ていなかった人にも好評な様子。舞台 刀剣乱舞は好きだけれど映画化には少々不安があった私にとっても、今回の映画化は満足な出来栄えで、是非ともたくさんの方に見ていただいて、第二弾への足がかりに…なんて考えてしまう。

今回の映画化にあたり脚本が小林靖子さんということで、結構シリアスな内容になるのでは…という前評判もあったものの、悲しい結末になることもなく、ゲームの世界観である「ある本丸での守るべき歴史」と、それぞれの守るべきものをうまく見せていたと思う。主人への忠義であったり、己の信念だったり、はたまた天下への野心であったり、若い命だったり、友の願いであったり。

耶雲監督は「NO MORE映画泥棒」の映像を撮った人ということで(笑)、今回の豪華な週替わり映像か…。

脚本、映像共に大満足ではあるものの、ゲームをしてない私には腑に落ちないところが…。

1つ目が、倶利伽羅江は誰が顕現させたのかという点。
本来審神者は物の心を引き出し目覚めさせる力を持ち、刀剣を人の形として顕現させるはず。映画の本丸の審神者は、倶利伽羅江の存在を感知していないため、この本丸に顕現した刀剣ではない。時間遡行軍の本体も刀剣ではあるので、歴史修正主義者も、審神者と同等の力を持つものが居るとも考えられるが、詳細は不明。そもそも、どうやって倶利伽羅江はこの本丸にたどり着いたのか。六振りが本丸に戻る際に現れる桜吹雪が彼を運んだような演出はあるが、それなら三日月が自分以外を返そうとした時に三日月も巻き込まれてもおかしくない。さらに、戦いの後倶利伽羅江がなんの違和感もなく本丸で暮らしている様子も描かれたので、この本丸の刀剣男子と認識はされたのだろうか。ともかく、倶利伽羅江を顕現させたのは誰なんだ?というのは明らかにされてないまま。…もしかして大太刀?そんな力があったら、もっと戦いがややこしくなるはず。倶利伽羅江が時間遡行軍側に与していた経緯はどこかで明らかにして欲しかった。

2点目が代替わりについて。
そもそも審神者は引き継ぐものなのか?これはゲームをしてないからわからないところ。
代替わりの時には審神者の力が弱まるから、秘密は知るものが少ない方がいいというのは理解できる。三日月だけがその事実を知っていたことから、審神者との信頼関係が伺える。後に留守居役となる鶯丸も知ることになるけれど、鶯丸に告げる際に三日月は「知られた可能性がある」とつぶやく。そもそも時間遡行軍は、本丸の他の刀剣男子が気づかなかった代替わりをどうやって知ったのか。
そして、代替わり後の戦いはどうなるのかという点。あの新しい審神者が編隊を組むとは思えないけれど、そもそも刀剣男子を顕現させる力を持つものが審神者なのだから可能なのか?先代の現した刀剣男子たちが審神者の成長を見守るのか?それって育成ゲームじゃないのか?と混乱してくるので、この辺りスッキリさせてほしいなぁ。

ラストに出てきた今回のテーマ「継承」。次があるのか?と期待してしまったのでなんとかしてほしいです笑