譯『大方広佛華嚴經』巻下(江部鴨村 訳,昭和10年) 

317〜318頁

そのとき普賢菩薩が仏華厳と名づける三昧にはいられました。かの三昧にはいられたとき、十方一切の世界を六種十八相に震動して、あらゆる世界に隈(くま)なく聞える微妙の音声を立てられた。しかして菩薩は安詳として三昧から出られました。
そのとき普慧菩薩が、もろもろの菩薩が雲のように集まられたことを知り、(もろもろの菩薩が)普賢菩薩に問われるよう、
『仏子よ、もろもろの菩薩大士の依果とは何でしょうか? 
奇特の想(おもい)とは何でしょうか?
行とは何でしょうか?
善知識とは何でしょうか?
勤修精進とは何でしょうか?
正しい希望とは何でしょうか?
衆生を成就するとは何でしょうか?
戒とは何でしょうか?
みづから受記の法を知るとは何でしょうか?
入るとは何でしょうか?
如来に入るとは何でしょうか?
衆生の心のはたらきに入るとは何でしょうか?
世界に入るとは何でしょうか?
劫に入るとは何でしょうか?
三世を説くとは何でしょうか?
三世間に入るとは何でしょうか?
憂悩のこころを離れて疲厭のおもいが無いとは何でしょうか?
無壊の智慧とは何でしょうか?
陀羅尼とは何でしょうか?
分別して仏を説くことを知るとは何でしょうか?

(旧字体、旧仮名遣いは改めました)