譯『大方広佛華嚴經』巻下(江部鴨村 訳,昭和10年) 

308頁

 仏子よ、もし菩薩大士にしてこの経を聞くことをえて、帰向し、受持し、信順するならば、知るべし、彼等は真実の仏子であって、如来の家から生れ、あらゆる如来の境界にしたがい、あらゆる菩薩の正法を具足し、一切種智の境界に安住し、あらゆる世間の法を遠離し、如来の行ずるところを出生し長養し、一切の菩薩の諸法の彼岸にいたり、如来の自在において心に疑うところなく、究竟して無師の地に安住し、ふかく一切の如来の境界に入るだろう。

(旧字体、旧仮名遣いは改めました)