譯『大方広佛華嚴經』巻下(江部鴨村 訳,昭和10年) 

306頁

そのとき、もろもろの菩薩大士が普賢菩薩に申さるるよう、
『仏子よ、この経をば何(なん)と呼び、また、いかにして奉持すべきでしょうか?』
『仏子よ、この経をば一切諸仏微密法蔵経と名づける。それは一切世界の思議しえざるところ、如来の印したまふところであって、大智の光明、如来の種姓を開きしめして一切の菩薩の功徳を長養し、世のなにものにも壊られず、あらゆる如来の境界にしたがい、一切衆生を皆ことごとく清浄ならしめ、ほとけの究竟の法を分別し演説する。

(旧字体、旧仮名遣いは改めました)