譯『大方広佛華嚴經』巻下(江部鴨村 訳,昭和10年) 

131〜132頁


仏子よ、あらゆる諸仏に十種の必然の法がある。十種とは何であるか?

一にあらゆる諸仏はかならず兜率天においてその寿命をおわりたもう。

二にあらゆる諸仏はかならず母胎にやどって満十月で出生することを示現したもう。

三にあらゆる諸仏はかならず宮殿を棄てて楽(ねが)って出家したもう。

四にあらゆる諸仏はかならず菩提樹のもとに坐して一切の法をさとりたもう。

五にあらゆる諸仏はかならず一念のうちに一切の仏法をさとり、あらゆる世界において、あまねく如来の神力自在を現じたもう。

六にあらゆる諸仏はかならず時にしたがって教化して正法を説きたもう。

七にあらゆる諸仏はかならずよく彼(か)の種うるところの善根にしたがい時に応じて法を説いて記別を授けたもう。

八にあらゆる諸仏はかならず時に応じて仏事をなしたもう。

九にあらゆる諸仏はかならず菩薩の功徳の具足せることを知って記別を授けたもう。

十にあらゆる諸仏はかならず衆生のあらゆる質問にしたがい、一念のうちに能くことごとく答えたもう。

仏子よ、これが一切諸仏の十種の必然の法である。


(旧字体、旧仮名遣いは改めました)