全譯『大方広佛華嚴經』巻上(江部鴨村 訳,昭和9年)
842〜843頁
たとえば真如が一切のところに行き渡って辺際がないように、菩薩の善根の回向もまた一切のところに行き渡って辺際がない。
たとえば真如が真実をその性とするように、善根の回向もまた一切法の真実をその性とすることを了(わか)る。
たとえば真如がつねに本性を守って変らないように、善根の回向もまたその本性を守って終始変らない。
たとえば真如が一切法の無性をもってその性とするように、善根の回向もまた一切法の無性をその性とすることを了(わか)る。
たとえば真如が無相をその相とするように、善根の回向もまた一切法の無相をその相とすることを了る。
たとえば若(も)し人が真如を得れば遂に退転することのないように、善根の回向もまた若しこれを得れば諸仏の法において永えに退転しない。
たとえば真如があらゆる諸仏の所行の処であるように、善根の回向もまたあらゆる如来の所行の処である。
たとえば真如が境界の相を離れてしかも境界となるように、善根の回向もまた境界の相を離れてしかも三世一切の諸仏の円満なる境界となる。
たとえば真如がよく一切を安立するように、善根の回向もまた悉くよく一切衆生を安立する。
たとえば真如が不断の随順をその性とするように、善根の回向もまた未来果てまで随順して断絶しない。
(旧字体、旧仮名遣いは改めました)