着物や和の習い事は、やっぱり敷居が高いイメージがあると思う。

今時そんなことないや、とすぐにポイと飛び込んでしまうわたしだが、本格的にのめり込むなら、やっぱりお金は要るよね。


わたしはお金持ちではないので、なんでもヤフオクフリマで揃えてしまう。

それで結構自分では満足だ。

着物だって、親から譲り受けたものはないし、振袖喪服以外は全て自分で入手している。


22の時に初めてポリのプレタ小紋を買って、しばらくしてひとりでぶらっと入った着物展で付け下げ長襦袢を買った。

お箏を習い始めた頃は、毎回この付け下げを着たものだ。


はじめは着付けができなかったから着付け代がかかった。

着付け代を捻出できなくて、自分で着るようになった。

時間的にも金銭的にも着付け教室に通うだけの余裕がなかったし、親にも教えてもらえなかったので、完全に自力で覚えた。


色無地は百貨店であつらえたが、一回くらいしか着ていない。


30代半ばになってから普段着物がマイブームになって、ヤフオク骨董市千円や二千円の着物を買うのが楽しみに。

実際、服を買うより安い。

帯なんて百円、二百円で買えるものもあってびっくり。

訪問着や袋帯ですら数千円で買えたりする。


初めは柔らかものが好きだったが、そのうちが着やすくなった。


そうこうするうちにマイブームは去ってしまい、姑の遺品からいただいた何着かも袖を通さないまま。


ここ一、二年、なんとなく着たくなってきて、思い切って大島羽織を誂えたが、これでもう当分着物をあつらえることもないだろう。


昨秋、思いがけず近所の茶道教室に通うことが決まって、お稽古時にポリ小紋を着るようになった。

紬は、茶道では出番がなさそうだ。


帛紗茶筅も、練習用にネットで一番安いものを探して購入。

何もかもが安物かリサイクル品だ。

それでも充分、体裁は整うのだ。


着物や和の習い事は決して敷居の高いものじゃなくなってきているのかもしれないが、やっぱりいい物を見てしまうと、自分のものがチープ過ぎて恥ずかしくなったりはする。

着物でもお道具でも、うわあ、これ素敵!欲しい!と思うものは決まってゼロが二つくらい多い。

○○織、○○染、何々工芸、そんな肩書きを、自信をもって言えるものを持っていないのがちょっと寂しい。

着物を着ない人ほど、嫁入り道具の上等な着物類が箪笥にぎっしり詰まっていたりするようだが、勿体無いなあと指を咥えてしまう😅。


今後ももう大きな買い物をできる予定はないので、チープな物をチマチマ使い回していくつもりだ。

工夫してリーズナブルに、身の丈に合った「和の生活」を楽しもうと思う。