名鉄特急というよりは、ミューチケットの思い出ですが。
私は人生でたった一度だけ、自分でミューチケットを買ったことがある。
つうか、そのときに生まれてはじめて「ミューチケット」なるものの存在を知りました・・・。
(例のビーチランド行ったときは、まだミューチケットって名称じゃないはず)
巽ヶ丘の借家を出てから、私の実家は名古屋市内に転居し、電車といえば地下鉄!という生活が15年以上になっていた。
あれは大学4年の夏・・・。暑い盛りでございました。
駅名はもう忘れたけど、とにかく私は、就職説明会で津島線のどっかの駅に向かっていた。
慣れない名鉄を使うからと、2時間ぐらい早く家を出たのは大アタリ。案のじょう、迷って津島線上をウロウロ!
なんでか3回ぐらい乗り換えてたよ・・・。「え?これ○駅止まらないの!?」「また通りすぎたー!(泣)」みたいなのを繰り返して一時間ぐらいウロウロしてた・・・。
携帯電話でヤフー路線をサクッと検索♪なんて時代じゃないですからね。
携帯でEメールすらできなかった。(できる機種もあったかもしれんが、私は未対応機種だった)IDOどうしのみ「プチメール」っていうのを送れたけど、あのころは周囲は「Jフォン」一色でろくに送信する相手もいなかったねえ。
家にインターネットも無かった。パソコンはあったけど。父にもらったお下がりのPC98に一太郎と花子と五郎を入れて使ってた。(懐)
就職情報サイトによるエントリーっていうものが始まった初期だったと思います。紙とパソコン、半々ぐらいだったかな。大学のパソコンでエントリーしてました。私の一期上の先輩たちは、まだエントリーハガキ中心だったような。私は字がうまくないので、パソコンでのエントリーに変わったのは嬉しかったね。
話がそれたけど、とにかく就職活動の8月、名鉄津島線で目的の駅にたどり着けずにウロウロウロウロし、最終的に、どっかの駅にやってきた電車の車掌さんに尋ねた。(駅員さんがいない駅だったんだと思われる)
車掌さんは「この特急に乗って○駅にいって、そこから乗り換えて」と親切に教えてくれて、「ただこの特急に乗るにはミューチケットが要ります!」と言ったんですね。
ミューチケット・・・。
うまれて初めて聞く単語でした。特急券とかじゃないんだ・・・。
なんか知らんが、とにかく就職説明会にたどりつかなくてはいけないので、
「払います!」
と言って飛び込んだ。電車はまもなく発車。それがどこの駅だったかすら記憶にない・・・。
車掌さんに350円を払って席に腰かけ、「これがミューチケットのいる座席かあ」と周囲を眺めまわしたときの不思議な感じが強く印象に残りました。
真昼間の中途半端な時間だったし、車内はガラガラというか、私しかいなかった。貸し切り状態。
座席が変わっていて、なんか半円の形になっている。ソファみたいで妙に豪華。
見たことのない車両内風景だけど、とにかく「これは豪華だ。たしかに追加料金いるわ」って感じで・・・。
夏の日差しで外が明るすぎるので、中は薄暗く感じました。
薄暗い豪華列車の中に、リクルートスーツで汗だくの自分は、すごく不釣り合いに感じた。
居心地が悪くて、なんか半円のソファに浅く座ってたのをはっきり覚えてます。
乗り間違えて飛び込んで、就職説明会なんていう野暮用で一人で乗る車両じゃないなー・・・と、なんとなく肌で感じたんですね。
結婚して名鉄沿線に引っ越してくるまで、それが「名鉄特急」に乗った私の最後の記憶です。
そして時間を現代に戻して2014年4月。アイロンがけしながら、旦那とパノラマDXの話をし、98年ごろにビーチランドへ行くのに乗ったのはパノラマスーパーだったと知って仰天し・・・。
旦那はパノラマDXについて熱く語り出した。
旦那:「名鉄は赤いのが基本だった。そこに、白いパノラマデラックスがデビュー。どれだけ鮮烈だったかわかるか?!
小学生のぼくはもう、乗りたくて乗りたくて乗りたくて乗りたくて!!!
デビューした年の正月、イトコたちと豊川稲荷に行くのに、絶っ対にパノラマDXに乗ると決めて実行した!!!」
私:「イトコの意見は無視なんだね・・・」
旦那:「ところがDXは売り切れで乗れなかった!そのデラックスは7000系を連結していて、普段だったら絶対に景色が見える進行方向の展望車両に乗るところ、ぼくは反対の展望車に乗って、ずーーーーーっとパノラマデラックスの顔を見ながら豊川まで行った!!」
私:「は・・・?電車の・・・?顔を見るための席えらび・・・?ぷっ(笑)」
旦那:「きみはデラックスがどんなにすごかったかわかっとらん!あれは特別な車両だ。デラックス券というのが必要だったんだぞ!それだけで特別感がある!で、豪華な座席でジュースなんか飲めたんだぞ!!」
そこまで聞いて、もしやと思った私。
私:「豪華・・・。えっ。もしかして座席が半円型?」
旦那:「そうそう」
私:「・・・・・・・・・。」
・・・就職活動のあの夏、あわてて乗り込んだあの車両こそ、子供時代にあこがれていたパノラマデラックスだったのかっ・・・!
あの夏から、もう干支が一回りするほど年月が経ち、はじめて知った真実・・・。
白い特急だから、「パノラマデラックスだ」ぐらい気づいてもよさそうだけど、なにせ説明会に遅れてはいかんとテンパっていたから、ろくに車両の顔なんか見てなかったんだろうな・・・若かりしころの自分。
まぁそれはともかく。
旦那がイトコたちと集団行動なのに、おのれの鉄道欲のために、乗る電車や座席を決めてゴリ押ししたのはよくわかった・・・。
そういう、自分の欲のためなら周囲をかえりみない性格、まんま長男に遺伝してるよね・・・と、ちょっとゲンナリもしたのでした