斎藤貴男著「明治礼賛の正体」

(斎藤貴男著 岩波書店刊 岩波ブックレット)書評

 本書は現政権主導の「明治150年記念事業」を明治政府時から概観し、ないほうさらているメディアプロパガンダをも批判している。また、記念事業全てが税金で実行され、地元行政も納得していないと言う事を指摘する。私達は日本が「敗戦国」である事を忘れ、その前駆体としての「明治」を美化していないだろうか。❓と問う。そして、明治以降の「非民主化」としての風習、慣習を何の疑問も持たないまま、引き継いていないだろうか。と問う。著者は日清戦争以降、「戦勝国らしい振る舞い」と「欧米の代理人」の二枚舌を使った明治政府に鋭い批判を加えつつ、現代の市民が取るべき態度を示唆している。          (以上、生活クラブ「本の花束」から依頼を受けた書籍の書評で、公式なものではありません)