
筋海町ファンの皆様!お待たせしました~♪ 先週に板原村館長さんにお誘い頂き、岸和田旧市筋海町地車を見学させて頂きました。 ちょっと時間が掛かってしまいましたが、一応編集できました。 筋海町といえば、昨年の大北町が曳き納めになり、旧市でここ一台となってしまった岸和田だんじり大工の名門【久吾】こと久納久吉・幸三郎兄弟の名作で昭和8年制作であります。 彫物師さんは、以前【彫師名鑑】のところでご紹介させて頂いた高村光雲師に師事されたという西本五葉師、一元正師と我らが開正珉師に玉井行陽師などが参加された超豪華な一台です。。 そんな名だんじり故に、今回も300枚超の撮影となりましたが、これまでも2回ほど見学させて頂いており、それを合わせると1000枚近くの枚数を撮っています。そんな中からアレも載せたい、コレも載せたいと思っておったら、ブログ掲載量がオーバーしまして、泣く泣く分けて掲載させて頂くことになりました。。 まずは、姿見~屋根周り~見送りと行ってみます。 これだけでもかなり見応えありなんで、楽しんでください♪

▲まずは、前後の姿見です。二重破風一番乗りのムチャクチャ渋いシルエットですね♪何を隠そう若かりし頃、この姿見を見て二重破風の虜になった私です・・・

▲平方向の姿見です。これは祭礼中のものですが、平から見ると隅部分のテリがよく分りますね。

▲主屋根鬼板の獅子噛と後屋根懸魚の「波濤に兎」です。どちらも個性的ですよね~

▲この木鼻もよく彫られておったので、何枚も撮ってしまいました。。顔もええ顔してるんですが、毛の巻き方も色々あって凝ってるな~と感じました。

▲主屋根の隅出すです。「神武東征」「仁徳天皇民の竈を見る?」「神功皇后誉田別皇子を平産す」「雄略天皇 葛城山にて猪退治」という事で、神話もので統一されています。どれも良く彫られており、好きな逸品です♪

▲後屋根隅出すは、「牛若丸鞍馬山修行の場」、「石橋山の合戦 頼朝朽木隠れ」です。横槌とも連動され、主屋根の彫物師さんと同じような気がしました。

▲そして、この見送り下の腰組みも筋海町が一番乗りなんですよ。。渋いですね~

▲また、この腰組みの中で、組物の一つが未完成となっています。これは昔の大工さんの言い伝えの一つに建物は完成してしまうとあとは朽ちて行くだけという事で、一部分だけ未完成のまま残し、朽ちて行かない建造物であってほしいという風習があったそうです。これもその類なんでしょうね~

▲その腰組みの間に入っている枡合で連子「牡丹に唐獅子」と水板「波濤」です。この牡丹に唐獅子も良い作品なんですが、特に牡丹がよう出来ていました。水板の波のラインも抜群ですね♪

▲摺り出し鼻も個性的な龍頭です。

▲前後の車板です。主屋根が「青龍」、後屋根が「源三位頼政鵺退治」です。

▲そして、後屋根枡合です。正真正銘我らが【あわじ彫】開正珉師の名作です♪「頼朝鶴ケ岡八幡宮の社頭にて千羽の鶴を放つ」右「梶原景季 生田の森」左「渡辺綱羅生門の鬼退治」です。どれも正珉の十八番ばかりですが、ここ筋海町をやるまでの正珉は、父親である正藤を何処までも追いかけ、この頃までの正珉の作風は父親と瓜二つと言っても過言ではありませんでした。しかし、東京へ出て高村派の教えを受けた五葉師と仕事を共にする事によって、刺激を受けたのか作風が変わっていきます。これは同じく一緒に仕事をした一元(野村)正師に言えると思います。これを話しだすと長くなるので、またの機会にしましょう。。

▲次は主屋根枡合です。こちらも正珉師の名作が入っております。この地車を見る時、一番に見てしまう部分が枡合ですね~正面「天の岩屋戸の変」、右「牛若丸弁慶五条大橋の出会い」、左「村上義光錦御旗奪還」、後ろ「陣幕に雑兵」です。ここも雰囲気的には、かなり五葉師を意識した作風になっています。

▲そして、いきなりですが、見送りです。この見送りは名彫刻師「西本五葉」の力を遺憾なく発揮した所のひとつでしょう♪

▲まずは、見送り虹梁です。ここも良く彫られています。彫物題材は、これどっかで見た事あり、いろいろ調べてみましたが、不明とさせて頂きます。また、作風は熊取五門の連子などで見られる感じです。

▲大脇上の物見と脇障子上の物見です。ここも先ほどと同じような作風ですね~

▲いよいよ、見送り「大坂夏の陣」ですが、まずこれも名作のひとつで、大脇です。題材はご存知「国松君背負ふ後藤又兵衛 半田寺山にて槍を突く」です。当ブログの名前の由来にも繋がった西本五葉師の渾身の作品です♪

▲この五葉師の作品は、何と言っても均等のとれた作品とリアリティ溢れる部分、そしてこの槍突く後藤又兵衛の甲冑の一枚一枚が微妙に角度を変え、まるで写真を見るが如くの軽さだと思います・・・(汗)

▲そして、普通に見ていると見えないはずの又兵衛の顔と首の据わらぬ「国松君」も大脇の隙間をぬって見えます。ここまで計算され彫られている五葉師・・凄過ぎます・・・(汗)

▲反対側の「木村長門守重成若江堤に露と消ゆる」とありますが、確定要素はちょっと薄いです。。しかしながら、作品は先ほどの又兵衛と同じく逸品です。それから、「強度は考えてないのかな??」と思えるぐらい彫り抜いており、今まで激しい曳行での振動などで、「よう、ここまでもっているな~」と感じます。

▲そして、裏側です。井戸から突く槍に初めて見た時、「こんなとこまで彫ってる・・・(汗)」と思ったのを思い出します。

▲摺り出し受けも茶臼山か何かの見送りに連動した題材ですが、もの凄い分厚さです・・・(汗)

▲そして、そして見送り内も五葉ワールドが広がります♪坂崎出羽守の千姫救出をはじめ夏の陣の名場面が目白押しです。この馬の倒れ込んだ作品なんて、こんな写真が無い限り彫れないんじゃないかと感じます。また、先ほども話しましたが、あくまでもリアリティの追求をされているみたいで、武将の腕の振り方や馬の筋肉などがその辺りを物語っていますね~こういう感じが後の野村正師などの作風に影響しているように思えます。

▲見送り内のひとつの見せ場で、真田信繁幸村が天蓋の破軍星に向って進み、破軍星を見上げる場面を見事に彫り上げられています!

▲そして、見送りセンタ-の真田大助♪何ともリアルな槍突きのシーンです!また、この真田の副紋といえる「結び雁金」紋が入った陣羽織のなびき方が尋常ではありません・・(激汗)

▲続いても五葉ワールド炸裂の松良です!これは以前に五葉師の紹介をした時に随分載せましたが、ここ筋海町を語る上では外せませんね~まずは、左の「安宅関 弁慶義経徴打」です。いつ見てももの凄い作品です。。よく今までバラバラにならなかったな~と思うほどの彫り抜きです。。

▲こんなとこにもすごい細工が・・・松良受けに掛かるぐらいに居てる山伏と子どもですが、子どものほうは受けに乗っているがの如くです。。すばらしいですね~

▲そして、右側の「頼光 大江山木渡りの場」です。こちらも定番題材ですが、他の作品とはちょっと違うように見えるくらい芸術的な作品とでも言えるのではないでしょうか・・・

▲ちょいアップです。頼光らが乗る松枝も凄いですが、その下でその枝を掴む家来に続いておりまして・・・こんなん見た事ないでしょ?(汗)

▲この松良最後は、この中で一番好きな人物です!この日も一番先に撮ったのが、この人♪何とも言えない表情に釘付けでした♪♪

▲そして、この回の最後は、昨年旧市を去った同じ久吾の名作で、大北町とのツーショットでお別れです。 いや~載せたい写真が満載なんで、どっから編集していいか随分悩みました・・・(汗) 西本五葉をはじめ、我らが開正珉の作品が目白押しなんで、個人的にはみんな載せたい気分です(笑) そして、遅くなりましたが、この日大変お世話になった筋海町保存会会長様はじめ拾五人組組長様、ご案内頂いたMさんと青年団の皆様には貴重なだんじりを拝見させて頂いた上に、網まで外して頂きまして、厚く厚く御礼を申し上げます。また、小屋前でお邪魔しました【隆匠】田中棟梁さまにもご協力頂きまして、感謝申し上げます。。 それから、いつもお誘い頂く、板原村館長様にも厚く感謝致しております♪ という事で次回は、腰周りを載せますが、ここには今回の五葉・正珉と玉井行陽師と一元(野村)正師も加わり、無茶苦茶バラエティに富んだ腰周りですので、次回も乞うご期待ですよ♪