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先日の岸和田旧市下野町新調と同じ日に、新たな地車がもう一台、誕生しました。
その地車は、和泉市上代町地車です。
上代町は、昨年までこの地区で唯一の上地車でしたが、この八月二十九日の良き日に岸和田型に生まれ変わりました。
新調地車の大工は、「隆匠」の田中隆治師、彫師は、ベテランと新鋭気鋭がたくさん参加しており、前田暁彦師、筒井伸師、近藤晃師、片山晃師、山本仲伸師、高濱輝夫師という豪華メンバーの作品です。
入魂式の模様は、見られませんでしたが、式典会場にて地車本体は、少しだけですが拝見できましたので、ご覧ください♪
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▲まずは、姿見です。スカッとした姿見に見惚れてしまいました。
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▲パッと見い、古風な感じがしましたが、如何でしょうか?
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▲平の屋根周りです。アッサリ目の組物の中に、凝った枡合があり、際立ちますね~
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▲主屋根枡合です。平はもう定番と言っても良い二重枡合方式です。正面「天地創造」左「天岩戸開」右「天孫降臨」です。見てないですが、後ろは「齋庭の稲穂」また、枡合上部のサガリのところも凝った細工がありました。そして、天岩戸は定番意匠を反転させた奇抜な意匠に見入ってしまいました!
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▲後屋根は、新調では最近メッキリ減った二重見送りでした。題材は、「神功皇后縁起」で正面「武内宿禰 大牛を投げる」右「武内宿禰 弓を討ちて大岩を砕く」左「安曇磯良神出現」です。神話物の好きな私にとっては、堪らん題材ですな~
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▲武内宿禰のオンパレードです♪
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▲それでは、腰周りに行きますが、まずは正面縁葛【椿説 弓張月(ちんせつゆみはりづき)】より「源為朝 昇天」大連子【太平記】より「大塔宮 般若寺に危難を免れ給う」小連子【太平記】より「北条高時 妖魔に誑かされて舞諷ふ」土呂幕【義経千本櫻】より「大物浦 平知盛の最後」です。光の加減で少し見辛いですが、定石である静・動・静・動とメリハリの利いた見易い感じが良いですね~また、縁葛、連子部分の題材も今までに無いものとなっています。
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▲最近は、この部分に過去の作品に無いものが多くなっています。彫物マニア泣かせですわ~(汗)まず、【椿説 弓張月】は、源為朝の物語で、琉球へ渡るという伝説まで描かれたものです。大連子・小連子の【太平記】は皆さんよくご存知ですよね。。土呂幕の【義経千本櫻】は浄瑠璃などの演目なんですが、平家物語を元に作られた架空の物語です。昔よりだんじりなどには、その時に流行っている歌舞伎や浄瑠璃の題材が良く使われていたので、それが現在でも受け継がれているでしょうね~
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▲そして、浄瑠璃【義経千本櫻】での名場面である碇知盛です!以前より「ありちゃうかな~」と思っていましたが、迫力ある作風に釘付けです!
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▲続いて、右平ですが、縁葛【椿説 弓張月】より「足利義康の書状と安着の狼煙」大連子【太平記】より「義貞船田入道天龍川を飛び越える」小連子【太平記】より「泣き男左兵衛足利軍勢を欺く」土呂幕【義経千本櫻】より「大物浦舟合戦 平知盛義経に恨みはらさん」です。
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▲この連子部分も良く彫れていましたが、暑くてじっくり見れなかったんで、今度は穴開くまで見てみたいですね~(笑)
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▲そして、土呂幕の「大物浦舟合戦 平知盛義経に恨みはらさん」です。この大風の吹く大物浦の睨み合いの緊張感が伝わります。この場面は、前にご紹介した新調下野町の正面土呂幕にも入ったり、結構彫られていますが、この意匠は、斬新ですね~
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▲そして、相打つ怨霊知盛の形相が、渋過ぎます!正面土呂幕の知盛と共にこの地車の顔となるでしょうね~
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▲腰周り最後は左平で縁葛【椿説 弓張月】より「讃岐院為朝を救う」大連子【太平記】より「新田四天王勇力の場」小連子【太平記】より「名越遠江入道同兵庫助の叔父甥双六賽の場」土呂幕【義経千本櫻】より「川連法眼館覚範(平教経)を蹴散らす狐忠信」です。
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▲縁葛は、いきなりの私の好きな場面である讃岐院こと讃岐に流された崇徳天皇の怨霊が為朝を救う場面が。。いや~見入ってしまいました。。連子も彫物では珍しいですが、太平記の名場面が彫られていましたね~
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▲そして、土呂幕最後は、千本櫻の中での名場面である「川連法眼館覚範(平教経)を蹴散らす狐忠信」です!熊取野田の松良に彫られているのが有名です。。これを土呂幕に持ってくるとは夢にも思わなかったですが、おまけに三方とも千本櫻統一とは、いやはや恐れ入りました。。写真は、忠信に化けた狐です。シッポがあるのでしょ。。
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▲そして、覚範ですが、実は檀浦で死んだはずの平教経なんです。情景なども霞とかバックとかも良く彫られていました!
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▲後屋根周りもあっさり目でしたが、竹の節などの彫物が良く彫られていたので、逆に際立って、良い感じでした。。中には、先代上地車を継承するかの如く獅噛みが彫られていました。
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▲見送り下の腰周りは、岸和田旧市筋海町のような枡組が施され、連子には大陸物で項羽と劉邦の物語を綴った「通俗漢楚軍談」とされています。これまた珍しいですね~後ろ正面右の張良と黄石公の出会いは、播州屋台では結構、彫られています。。
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▲見送りは、「一ノ谷合戦」のパノラマが広がっているようですが、中までは確認出来ずじまいでした。。次回、奥の奥まで拝見したいと思います!(笑)
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▲遠目から見れた見送り騎馬武者です。
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▲最後も良く彫られた大脇です!見送りと連続性があり、ええ感じのように見えました。

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いかがでしたか。。 記念曳行は、見れずでしたが、地車本体を拝む事ができ、うれしい限りでした。 彫物もたくさんの彫師さんの手が入っており、バラエティに富んでいますが、彫物題材も珍しいものが多く入っていました。中でも目を惹いたのは、後屋根の二重見送り「神功皇后縁起」と土呂幕の【義経千本櫻】でしょうか。。以前よりこの題材が土呂幕にあっても個人的にはありやな~と思っていたので、まさかこの日、目の前に現れるとは、感激してしまいました。 あ~それから、主屋根の天岩戸の意匠も目を惹きましたね~ この他にも良い細工が施されているはずですが、前に拝見した下野町同様、じっくり拝見出来る事ができなかったんで、いつかじっくり見せて頂く機会があれば、見てみたい作品でした。 最後に、上代町の関係者の皆様、新調おめでとございました! 本番も無事の安全曳行できます事をお祈りしております。