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本日は、今年初めての岸和田型のご紹介です。
ご紹介させて頂くのは、昨年初めて拝見させて頂いた八木地区「箕土路町地車」です。
この八木地区も少し前に、ご紹介させて頂いた昭和59年の荒木町の新調を皮切りに、各町次々と新調され、平成23年中井町の新調が完成するとすべての町が近年新調した地区になるという目まぐるしく移り変わった地区なんです。
そんな新調ラッシュに満を持して、平成15年大工【植山工務店】、彫師が【木彫岸田】が唯一送り出したのが、この箕土路町でした。彫刻題材もほぼ「信長公記」統一という岸田恭司師の渾身の作品となっております。私も前々から間近で、拝見したかったんですが、なかなか巡り合う機会がありませんでした。
しかし、昨年試験曳きの折、ちょうど休憩時に拝見できる機会があり、休憩時なんで、じっくりと言う訳には行きませんでしたが、見学させて頂きました。
それでは、ご覧下さい。
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▲まずは、正面の姿見と平の屋根周り、大屋根正面車板「剣菱夜叉明王」小屋虹梁「獅子舞??」です。車板の図柄もネット等では、この図柄名でしたが、仏像も結構好きな私ですが「剣菱夜叉明王」なる仏さんの名は、初めて聞きました!また、小屋虹梁も何かの神事でしょうか?図柄名はちょっと不明です。。(汗)
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▲正面屋根周りです。入母屋のスカッとした良い感じですね~あと、交差旗の色も良いですね!
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▲そして、大屋根枡合は、先ほどもお話した【信長公記】の中より、正面「敦盛の舞」、右「義元の最期」、左「戦勝祈願」になっています。正面の信長公の敦盛の舞など斬新ですよね~あと、平は二重枡合式になっており、図柄は右「風神」、左「雷神」です。ここも屋根の上側から反り気味に、大きく間合いが取られているので、風神雷神ともに大きく彫られています。
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▲隅出すは、全部写してないですが、たぶん四獣神やと思われます。木鼻も鈴持ちや親子などの定番ですが、良く彫られ抜群でした!
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▲続いて、小屋根枡合ですが、正面「蘭丸光秀打擲」、右「藤吉郎初見参」、左「犬千代笄の刃傷」です。ここの枡合も珍しい図柄のオンパレードです。また、すべて奥行きがかなりあり、深いものになっております。そして、車板は「青龍」、小屋虹梁は、地元夜疑神社の神事「夜疑神社 雨乞い」が彫られています。
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▲町名持ちもここ箕土路唯一の「短冊を持つ弥生時代の箕土路の民」という事です!古くからある町やと言う事が、よく分かる作品です。
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▲そして、松良も苦心作と言ってよい、斬新な意匠です。図柄は、資料とかでは「長篠の合戦」となっています。
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▲いよいよ、腰周りですが、ここも信長ヒストリー全開です!まずは、左平縁葛「お市の方お輿入れの場」大連子「本多平八郎忠勝 真柄十郎左衛門の血戦」小連子「お市の方小豆袋をもって信長に危機を知らす」土呂幕「石山大合戦」珍しい、ここだけと言うような図柄のオンパレードです!
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▲連子部分は、彫り物の出来栄えは当然として、静・動・静とメリハリがあり、非常に見易くなっています。さすが、岸田さんですね!
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▲土呂幕は、信長の天下統一のキーポイントとも言える「石山大合戦」となっています。おなじみの石山の名場面です。根来衆「小密茶坊」と木村又蔵の一騎打ちには、興奮しますよね!!
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▲続いては、右平です。縁葛「道三 信長会見の場」大連子「道三会見の前に信長の様子をうかがう」小連子「万松寺にて信長仏前に焼香を投げる」土呂幕「稲生の合戦」です。
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▲岸田さん独自の意匠に、心奪われますね~
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▲大連子「道三会見の前に信長の様子をうかがう」では、信長公の馬上での片膝を組む独特のスタイルを見事に再現されています。
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▲そして、これも「信長公記」初期のターニングポイントである信長と信行の兄弟合戦である「稲生の合戦」です。数の上でも不利なこの戦いを見事打ち破った名場面ですね!
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▲そして、腰周り最後は正面で、縁葛「本能寺大茶会の場」大連子「長篠にて尽忠の武士久蔵の最期」小連子「信長東大寺の蘭奢侍を所望する」土呂幕「本能寺 夜軍」の名場面ばかりです!
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▲正面連子部分は、特に良く見えました!
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▲その中でも、図柄的にも珍しい多田久蔵の最期は、珍しいというか、ここだけでしょうか?信長軍に捕らえられた久蔵の武士らしい最期を見事に再現されています。
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▲そして、最後は、土呂幕「本能寺 夜軍」です。彫り物図柄で、本能寺の変は、数多く彫られていますが、この最後の名シーンを岸田さんが見事に彫られています!必死の信長の形相は圧巻です!また、彫り物としてもアクロバット的な彫り方で、非常に繊細ですよね~ちょっとしたら、ポキッっと行きそうですよね~(汗)
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▲障子などもリアルですが、信長に振り切られた武将の動きある彫り物も抜群です!
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▲そして、見送り下の連子部分は、半松良まで続く腰組が施され、その中を枡合形式になっています。写真の場面は「光秀小栗栖での最期」ですね。あと、旗台も組物で、竹の節や物見も珍しい図柄満載です!この後ろ部分は、休憩終わりやったんで、あまりよく拝見出来なかったんですよ~また、ぜひ拝見したいですね!
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▲最後は、「信長公記」最後の大見せ場であるお馴染み「本能寺」の名場面です!その中でも目を見張った大脇も意匠がかなり凝ってました!
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▲そして、信長の奮戦を中心とした本能寺の大パノラマが彫られています!

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いかがでしたか? この地車も前々より拝見したかった岸田さんの名作ですが、昨年念願かなって、やっと間近で拝見する事が出来ましたが、想像よりはるかに良く出来た作品に暫し見入ってしました。 祭礼時という事もあり、じっくりとは見る事は出来なかったんですが、カメラのファインダー越しに繊細な作品に唸り声を上げてしまいました!(笑) また、ほぼ「信長公記」統一の彫り物は、斬新な意匠のオンパレードで見るものを魅了します! 八木地区に光る岸田恭司師の名作をもう一度じっくり拝見したいものです。