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今宵、国松君「源平盛衰記」~第十一幕~終焉を迎える事とあいなりました。
長きに渡り、各彫り物とともに、お話して参りましたが、私自身も大変勉強になりました。
それでは、早速ではありますが、最終幕のお話の方へと移らして頂きます。
信用していたはずの頼朝に裏切られた義経は、吉野山より命辛々逃れ、反鎌倉の貴族、寺社勢力に匿われ京都周辺に潜伏するが、同じ同士であった源行家親子も和泉国で殺害され、家臣の伊勢三郎も討ち取られ、静御前とも吉野で別れてしまいました。頼朝は院や貴族が義経を逃がしている事を疑う頼朝は、「京都側が義経に味方するならば大軍を送る」と脅しました。そして、一行は山伏と稚児の姿に身をやつして、終焉の土地である奥州をめざし、旅立つのでありました。
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▲奥州へ落ち延びようとした義経主従は、現在の石川県は「安宅関」を山伏姿で関所を通ろうとするが、関守の富樫泰家は一行を不審に思い、通行するのを認めませんでした。そして、弁慶一世一代の大芝居が展開されるのでありました。焼失した東大寺再建のための勧進を行っていると弁慶が言うと、富樫は勧進帳(寄付を勧める説明文のような物)を読んでみるよう命じました。弁慶はたまたま持っていた巻物を勧進帳であるかのように装い、朗々と読み上げるのでした。「都志万歳」
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▲しかし、まだ疑う富樫は山伏の心得や秘密の呪文について問い正しますが、弁慶は淀みなく答えました。富樫は通行を許すが、部下のひとりが義経に疑いをかけました。弁慶は主君の義経を泪を隠し金剛杖で叩き、疑いを晴らすのでありました。「熊取大宮」
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▲危機を脱出した一行に、富樫は「失礼なことをした」と酒を勧め、弁慶は舞を披露するのであります。踊りながら義経らを逃がし、弁慶は富樫に目礼し後を急ぎ追いかけるのでありました。「熊取野田」
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▲一方、吉野山で義経と別れた静御前は、一緒に逃げた郎党に裏切られ、身包み剥がされ、ひとり雪の中を彷徨いましたが、北条時政に捕らえられ、鎌倉へ送られ頼朝の尋問を受けるのでした。しかし、静御前は「義経の行方は知らない」と言い切りました。そうすると、頼朝もそれ以上の追求はしませんでした。写真は、舞の名手であった静御前は、頼朝の政子のたっての希望で舞を披露します。その舞には、遠い義経に思いを込めて「よし野山みねのしら雪ふみ分けて、いりにし人のあとぞこひしき」と舞い歌い、そのあまりの美声はその場の武将たちに、暫し声を忘れさせたほどであったと言われています。「和泉市辻小路」
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▲奥州へ入った義経は藤原秀衡の庇護を受けるが、間もなく秀衡は死去してしまいます。秀衡が亡くなると藤原氏の結束は弱まり、それまで頼朝の圧力を受け入れなかった後継者の泰衡も遂に頼朝に屈してしまい、秀衡の遺言であった「義経を主君として奥州を守れ」と言う事を裏切り、義経を攻撃する事となりました。「堺市上」
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▲泰衡は、500騎の兵をもって10数騎の義経主従を藤原基成の衣川館で襲いかかりました。義経の郎党たちは弁慶をはじめ防戦しましたが、ことごとく討たれました。その中でも弁慶も並み居る敵兵を次々倒しましたが、ついには無数の矢を受けて仁王立ちのまま息絶えたと伝えられています。「岸和田市土生町」
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▲藤原泰衡の容赦ない攻撃に、義経ついに最期の時を迎えようとしていました。「泉大津市板原」
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▲その時である高舘に突如現れた白龍は、義経の未来永劫終わらない物語を暗示するかのように白龍は昇天するのでありました。「泉大津市板原」

弁慶はじめ家臣の防戦も空しく、館を平泉の兵に囲まれた義経は、一切戦うことをせず持仏堂に篭り、まず正妻と4歳の女子とともに、自害して果ててしまいました。享年31でありました。
のちの伝説では、蝦夷地に渡ったとか、そこからモンゴルへ渡り、チンギス・ハーンになったとか、色んな伝説が生れました。一の谷や壇ノ浦での活躍そして、兄頼朝の心変わりからの家臣共々の悲壮な最期と日本人の心情を摑んで離さない永遠のヒーローになりえたのですね。。

この時代は今日栄華を誇っていても明日は滅亡しているかも。。という死ぬか生きるか一分一秒も気を抜けない厳しい時代やったんですね。そして、こうして改めて思うことは、天皇家の親子の権力争いが日本全国を巻き込こまれていってしまうという、今では考えられない物語ですよね~しかし、その数々の戦いの中で、逸話や武勇伝も数々生れ800年経った今でも語り継がれ、義経はじめ、たくさんの源平ファンが居る事が、すごい事やな~と感じます。
これからも数々の源平ものの名作彫り物が、この世に誕生し私たちの目を楽しませてくれる事と思います。
そして、~第一幕~の平治の乱より数えて十一幕まで、足早にご紹介させて頂きました。今回で国松君流「源平盛衰記」は、終了させて頂きます。飽きずにご愛読頂きました皆様には、ブログ上からではありますが、厚く感謝申し上げます。
また、気が向いた時にでも違う長編物にでも挑戦しようかな~なんて、考えてますが、その節には、またよろしくお願い致します。けど、お話にあった彫り物を探すのが、少々しんどいんですよね~(汗)
それでは、長い間ご愛読ありがとうございました!!