「朝のリレー」
カムチャッカの若者が キリンの夢をみているとき
メキシコの娘は 朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が ほほえみながら 寝がえりをうつとき
ローマの少年は 柱頭を染める朝陽に
ウインクする
この地球で
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば 交換で地球を守る
眠る前のひととき 耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴っている
それはあなたが送った朝を
誰かがしっかり受け止めた証拠なのだ
谷川俊太郎
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曇り空 冷え冷えの空気
今日も 受け止めた朝を 持ちながら
ヤンチャ姫と 海の 静か波 見にいった。
ひと波ひと波 違う波 越えて
春の海へたどり着くのだわ と思いながら
寒っ、寒い寒い、
走って 体温めた。
今夜は ファルファッレ 茹でて
マスカルポーネトマトソース からめて
マカロニ夕食
わたしが ワインを 飲み始める時
「どこかで 朝がはじまりましたよ」
朝を迎えて 夜が来て
また 朝を迎える
ことができたら 最高なんだ
