2011年夏、ウガンダのカランガラ村の小学校にステイしてきました。

「素直な子どもが多いなあ~ (。・д・。)」
というのが、ウガンダの子どもたちの第一印象!



普段の授業中はとても静かで従順で、「わかんないなぁ~」(・・。)ゞ とおとなしくはにかむ子も多かったり
授業中に歌や踊りを取り入れるときは、みんな楽しそうに全力で踊ってたりo(^▽^)o
すべてのことにとことん素直*:..。○・:,。


また、ものが不足しているせいか、みんなどんなささいなことにでも「なに、なに?」と興味を示してきてくれるのが、モノが溢れる日本に暮らす子どもたちとの決定的な違い、良いことだなぁと感じました。


と同時に感じたのが

こんな素直で頑張り屋さんな子どもたちに、10年後、20年後、いったいどんな将来が待っているんだろう・・・?  
ということです。


ウガンダでは1997年より、マラウイに次いで初等教育無償化(Free Primary Education)が実施され、入学生が倍増、就学率の大幅な上昇につながりました

授業料を無料にすれば、すべての子どもが教育にアクセスできる
これははたして本当なのか?
既にFPEが何カ国(マラウイ、ウガンダ、タンザニア、ザンビア、ケニア)も実施されているアフリカで、教育が改善されない理由は何なのか?

それが、今回のウガンダ訪問の主な目的のひとつでした。


訪問前は、「教科書や教室が全然足りなくて、給食もなくて栄養失調の子どもが多いんだろうな・・・卒業しても働き口がないんだろうな・・・」という漠然とした予想(恥ずかしいです!)しかできませんでしたが、実際に学校で過ごしてみると、1週間もしないうちに山のような課題に直面しましたΣ(゚д゚;)

分類の方法は何通りか考えられると思いますが、今回は大きく2つに分けて、教育指導面で感じた課題を整理します。


1:Access and Quantity ~適切な教育環境へのアクセス~
Q. 教科書が足りないと何が起こるか?
  
 

写真の左はナーサリー(幼稚園/保育園レベル)、右は初等教育1年生です。
施設や机、教科書等が足りないことは、写真から見て取れる通りです。

子どもたちは校舎や机がなくても一生懸命頑張っていますが、教科書が足りないことによって、やはり学習のスピードが落ちます。


また、初等教育の子どもたちは各教科ごとにexercise bookという小さなノートを持っていて、それに板書や練習問題をすべて写す仕組みなんですが、放課後に先生に提出したまま帰ってしまうこともしばしば。つまり、日本のように「家に帰って 今日習ったことを復習しよう!」ができません。


  
また、短い授業時間の中で、教師の板書負担が増え、子どもたちのノート板書も大変な作業になります。
特に小学校だと、写真のように大きく絵や図を描いて説明しないといけない場面も多いため、教師も生徒もかなり「写す」だけの作業に時間がかかってしまいます


Q.トイレが子どもたちの集中力を妨げる?
 
きれいな青空の下の小さな小屋
これは何でしょう・・・?

2基のトイレです。
全校生徒約400人に対して、外にトイレがたった2つ

当然ながら、時には生徒が授業中にも関わらずトイレに並んでしまう場面も見られます。
一見学びとはあまり関係ないと考えられがちなところですが、学習の効率を妨げる1つの要因です。
(実は、トイレの横にあるべきはずの手洗い場もまだ1台も設置できていません。子どもたちは手を洗うことのないまま、ごはんや近くに生えている果物・サトウキビなどを間食します。衛生面の問題も大きいですね。)


Q.ウガンダの純就学率は92% (2011)、ということはほとんどみんな教育を受けられるの?
  

入学したての1年生/P1(上図左)は、一般に入学生が多く、出席率も高いことが特徴です。
しかし学年が上がるにつれて生徒の人数が減ってしまいます(5年生/P5)(上図右)。
この日の場合、1年生は66人(ほぼ出席)ですが、5年生は約40人の生徒のうち28人しか出席していない、という状況でした。

Q. なぜ、学年が上がると生徒が減るの?
いわゆるドロップアウトです。
開発途上国において、入学した生徒が5年生まで残れる確率は約55%。
(UNESCO 2000)
これは家庭の事情によるところも大きく、家事やdigging(農業)をさせられる子どもが多いためです。よく「女の子が家事のために教育を受けられない」と聞きますが、実は男の子の方が、成長すればするほど、貧しい農家家庭にとって貴重な・パワフルな労働力になるケースも多々あります。

もし、教育を受けて子どもの将来が約束されるのであれば、親たちは喜んで彼らを学校に送り続けるでしょう。
しかし、若年人口が爆発しているウガンダでは、失業者に占める若者の割合が83%(World Bank 2008)。これは世界ワースト規模で、首都カンパラには、職が決まらないまま過ごす高学歴の若者が溢れています。

いまだに農業や一次産品(とくにウガンダ産コーヒーは、日本への輸出総額の6割を占めています)への依存が強いため、非農業セクターでの雇用創出が、猛スピードで進む人口増加に間に合っていない状態です。それでも、高収入で安全な仕事を得たいという期待を胸に、多くの若者が村から都市部に移ってくるわけです。

(国連の中位予測によると、2050年までに世界人口は約90億に達する見込みですが、その増加のほぼ全てが開発途上国の都市部で生じるそうです。雇用創出は重要な課題ですね)


そんな状況で、もし私がお金に余裕のない家庭の母親だったら「教育に投資する意味が見出せない」、「貴重な機会費用を損失したくない」、「あてにならない将来の稼ぎより、確実な明日の稼ぎがほしい」・・・と考えるのは、至って仕方のないことかもしれません(´・・`)

こうして生じるドロップアウト(中途退学)、あるいは留年といった問題が、子どもたちから教育を遠ざけてしまいます。
そして、初等学校の卒業、中等学校への進学は、子どもたちにとってさらに厳しいハードルになっていきます(次回触れます)
  

このように、適切な教育環境へのアクセスの問題、衛生・栄養面の問題、そしてドロップアウトの問題など、平均化された「就学率」からだけでは見えてこない問題を突き付けられました。

また 授業料を無料にするのは、一時的に入学生を増やす画期的な方法ではありますが、同時に教室・教師・教材の不足を引き起こし、結果的に指導の質の低下をもたらしかねない、ということも認識しておかないといけません
次回はこの「質」(Quality Education )について、触れたいと思います。

アフリカに行きたい・・・