一時代を築いた俳優、石原裕次郎の遺品などを展示している北海道小樽市の石原裕次郎記念館が今月末、26年の歴史に幕を閉じる。最後の週末となる26、27日も約4000人が全国から訪れ、昭和の大スターの思い出にひたっていた。
昭和9年生まれの裕次郎さんは3歳から9歳までを小樽市で過ごした。ヨットマンでもあった裕次郎さんは生前から、海の近くで記念館を作りたいと希望していた。昭和62年の死去から4年後の平成3年7月、マリーナ近くに記念館がオープンした。
記念館には、世界で数台しかないというガルウイング(はね上げ式ドア)が特徴のメルセデス・ベンツなどの車や衣装、映画のフィルムなど約2万点が展示されている。
開館翌年の平成4年には最多の約126万人が来場。17年ごろまで毎年約100万人が訪れていた。しかし、ファンの高齢化もあり、近年は約10万人に減少。塩害の影響や老朽化、オーディオ機器の更新などに多額の費用がかかるため昨年、閉館を決めた。
13日に訪れた札幌市の会社経営、菅原幸雄さん(74)は「裕次郎は昭和の時代の大スター。自分たちの青春と重なる。なくなるのは惜しいですね」と話していた。宮城県富谷市から夫婦で訪れた会社員、永井美由樹さん(47)は「亡くなった父と面影が重なる。裕次郎を超える好きな俳優はいない」と話し、写真を撮影していた。
閉館後、愛車のロールスロイスは小樽市総合博物館に寄贈される。ドラマ「西部警察」で使った16ミリフィルムカメラや敷地内のヨットが刻印された特製マンホールも市に贈られる。
浅野謙治郎館長は「夕方、裕次郎さんの愛車のベンツの音が聞こえると、石原プロのスタッフたちが集まって映画談義に花を咲かせたことが思い出される。まだ数年は営業することもできるが、余力がある中で惜しまれながら幕を引くのが裕次郎さんにふさわしい」と語った。
28日からは来場者に裕次郎さんが好きだった酒などの飲み物が振る舞われる。最終日の31日には妻、まき子さんや石原プロの俳優、舘ひろしさん、神田正輝さんが駆けつけ、ファンにあいさつする。(杉浦美香)
最終更新:8/28(月) 8:12
産経新聞


