弱虫。
「僕はただの弱虫でいい。
お前なんかに何がわかるよ。そう言われる強者になるくらいなら、
お前なら、きっとわかってくれるって。そう言ってもらえる弱虫のままでいたかった。」
本田孝好「正義のミカタ ~I'm a loser~」より
最近手に取った本に書いてあった一説。なんだかガツンときた。
もやもや~っとしていた霧が晴れた感じで、あ、これだっと思った。
人それぞれ生き方や価値観があると思うけど、私はこのスタイルでいこう、と思えた。
今日はひとり「ブリューゲル版画の世界」展を渋谷BUNKAMURAへ見に行った。
美術展に行くのは久しぶり。大学時代はよく行ったのですが、社会人になってめっきり行かなくなった。
BAUHAUSE展以来だな。
あり得ない混み具合。
日本にこんなに美術展に1400円払ってまで興味がある人がいるなんて驚き。
「後半の方はは空いてるので、後半からもぜひご覧ください。」って書いてあるのに、前半から大行列で待つひとたち。
日本人て本当すごいと思った。誰も何も言わないのにちゃんと勝手に順番待ちしてる。
私は待ってられないから後半から見たけど。
ブリューゲルさんは社会風刺や諺をモチーフにしたユーモラスな作品が多い。
諺を何十個も同じ絵の中に盛り込んだ作品は、版画とは思えないくらい緻密に描かれていて
目をこらして見れば見るほど面白い。
個人的には船舶シリーズよりも、やっぱり人間の私利私欲をアイロニカルに描写している
作品が好き。
代表作の「誰でも」は人間の所有欲の強さを表しているけど、
人々が一生懸命何かを探すそのモノの山はどう見てもガラクタにしか見えない。
2人の男性が布をひっぱりあってお互い自分のものにしようとしている。
その姿は、がらくたの中にある宝だったのか、それとも人間はガラクタであっても人のものを
ただとにかく自分のものにしたいだけなのか。
冷静に考えてみると、ほしいほしいと思っていたものも
手に入れてみると大したことないのかもね。
そんな事を版画一枚で考えさせられました。
やっぱりこれだけ緻密だからこそ、味わい深くかつ考えさせられるような作品なのだと思う。
この人の版画は周辺の版画家と比較して見ると絵の描き方がマンガちっくに感じる。
だからそれぞれの愚かな人間姿も愛着を感じさせる愛らしさがあるのかな。
宗教画も多く描いた人だったから、きっと人間を罪深く描いたんだろうと思うけど、
それも人間ゆえの愚かさなのだ、と愛情が込められた絵のタッチではないかと思う。
私の好きなMUCHAのようにカラフルな色遣いではないけれど、思わず色が浮かんでくるような
人間の動き、海の形、帆のまるみ、自然の姿は魅力的だった。
きっとユニークだけど真面目な人だったと思う。会って話してみたかったな。
30年以上の版画だけをやり続けて、いやになったことなかったですか?
版画以外の人生、考えた事なかったですか?
アイデアが浮かばなくて、逃げ出したい事なかったですか?
ひとつの事をこつこつ、これだけ緻密な版画作品を作り続けるなんて、相当の情熱か精神力が
必要なんじゃないだろうか。そんな事をふと考えた。
最近毎朝「即効元気」を飲まないと頑張れない毎日。
社会人も3年目になると色々と考えることはあるけれど
誰になんと言われようと、自分らしく生きたいと感じるわけです。
まだこうやって言えてるだけ元気だな。