とりあえず頑張って産まれてみた。
が、かわいいと感じてもらえたのは最初だけだったと思う。
それも愛情からだったのかどうか分からない。
父親が育児に非協力的で、母親はしょっちゅうイライラしていた。
しかし父親に対して気持ちを表に出すことをせず、頑張っていい妻を演じていた。
父親を会社へ送り出した後、ベビーベッドに寝ている私と二人になると
ヒステリックな声で父親への怒りを長時間叫んでいた。
聞かされていた私は、その時どんな気持ちだったか。
唖然としていた。
こんな環境に置かれるとは予想外だった。
キンキンした高音で、大声で叫ばれると、耳をふさぎたくなる。
しかし自分で耳をふさぐことがまだできないので、この頃から
この手のヒステリックな声を感覚的にシャットアウトする術を身につけた。
以降、子供時代に母親がどんなにヒステリックにキーキー叫んでいても
何も感じず、何も考えず、過ごすことができるようになった。
無視というより、思考を停止させ、心を閉ざしていた。