頂上は雲に覆われ、雪が舞うように白く、冷たくて寒かった。
8月21日 日曜日
{曇りのち雨予報} 降雨量11mm
登山する前に天気予報をスマホで確認したところ山登りには適していないということが分かった。
しかし僕らは何とかなるだろうと言いながらランニングシューズの紐を強く縛り、登り始めた。
少し登ると、全身の毛穴から汗が吹きでてきた。雨合羽を着用していたので尚更だ。
一号目から五合目まではスムーズに登ることができた。
山にはシカがたくさん生息していて、僕たちの事を凝視していた。
「また人間が自然を荒らしにきたか」
と言っているような気がして少し申し訳ない気持ちになった。
五合目から頂上まではとても険しく辛かった。
足場も悪く踏み外すと転んで死ぬかもしれないという恐怖が付きまとった。
けれど、僕たちはお互いを鼓舞しながら全力でかけ登った。
約3時間かけて頂上に着き、僕は達成感で歓喜した。
相変わらず友人はタバコをくゆらせ歓喜した。
頂上は雲に覆われていたせいで景色を見ることができなかった。
あたりは真っ白で何も見えない。
吹雪に似たような細かい水滴が僕たちを包んだ。
神秘的で違う世界にきたような感覚になった。
山登りは本当に楽しい心からそう感じた。
生きるって素晴らしい。