この本、事実。というか実名小説です。
いろんな人に取材や承諾を得て、小説化したようです。
主人公・北村太郎が、定年間近に親友の妻と恋に落ちてしまう。
北村は、出版社で働き、詩人としてはあまりな人。
そして、親友というのが、戦後の代表詩人・田村隆一。
なんだか、これすごかった。
最初は、恋愛のゴタゴタで「人間って、愚か。」とうんざりイライラして読んでたんだけど、
途中からちょっと受けとめかたが変わったっていうか。
全くうまく言えないけど、「どう生きるか」みたいな。
なんか、いろんなこと考えてしまいました。
この3人の関係もなんだか普通じゃない。
3人が3人とも、ハンパない感受性でビビる。
特に田村隆一。
さすがの天才。意味がわからん。
さびしんぼすぎだし。甘えすぎだし。酒のみすぎだし。
誰が止めようと酒を飲みつづけるくせに、突然自分で「ちょっくら酒抜きしてくら~」って感覚で入院しちゃう。
もう周りのヤツら、止めることをやめろ!この人、ちゃんと分かってるし、大丈夫だから!!
いや~色々ぶつらぶつらと書きましたが、おもしろかったです。
ちょっとおじさんの性欲の強さにたじろいだけど。
いくつになっても恋するぜ!って気にはならない素敵な恋愛小説でした。
あとひとつ。
印象的だったのが、今まで築いてきた安定した仕事や家庭を全て捨て、恋に走った北村。
その代わり、燃えるような情熱と「言葉」を取り戻しました。
それから亡くなるまでの数年で、それまで以上のたくさんの詩を書きました。
そして、賞ももらいました。
安定の中では生み出すことが出来なかった言葉。
詩人にとって言葉を取り戻すってことが、何より幸せなことだったんじゃないかな。
ではでは長くなりましたが、これにて。
おやすみっちょ。
