「生物」のことが一冊でまるごとわかる 1,620円 Amazon |
①生命が誕生して人類が現れるまで
②細胞の仕組みから個体の成り立ちまで
③生体を構成する物質
④遺伝子とDNAの正体をさぐる
⑤動物の発生のしくみ
⑥生命維持のしくみ-代謝・醗酵・光合成
⑦生物の反応と調節のメカニズム
⑧生物の多様性と絶滅危惧種
⑨生物は環境の中でどう生きているか
1~9章まで、タイトル通りこの本一冊でヒトを含む生物に関する様々なジャンル数冊~十数冊の本を読んだのと同じ位のトピックを知ることができる本です。
内容的にもカバーにある通りまず、文字が大きくて読み易いですし、図も豊富に載っていて、説明の仕方もとても親切で分かり易いです。
とにかく「読み易く・分かり易く」という著者の思いが随所に感じられる本でした。この本で興味を持った部分を更に別の本で調べていくための入門書としてとても優れた本だなと思いました。
例えば私はこれまでDNA関連本を何冊も読んできましたが、この本で初めてDNA=デオキシリボ核酸とRNA=リボ核酸の違いについてちゃんと理解できました。その説明は以下の通りです。
RNAはリボースという5個の炭素を含む糖をもっています。DNAのデオキシリボースは、リボースから酸素を1個取り除いた構造をしています。デオキシリボースのデオキシとは「酸素を取り除く」という意味なのです。このわずかな構造の違いが、DNAとRNAの安定性に大きく影響しています。すなわちRNAのほうがDNAよりずっと不安定で容易に分解されるコピーとしての性質をもっているのです。RNAはリボースをもつことで、生体内で分解されやすいコピーとして働き、DNAはデオキシリボースをもつことで、生体内で長い間安定した物質でいられるのです。
物凄く分かり易い!
そしてこの文章の後にDNAとRNAの化学式を使っての解説まで付いている親切さ。
DNAのデオキシリボースのデオキシとは「酸素を取り除く」という意味だったことも私はこの本で初めて知りました。
このように著者の読み易く・分かり易くという工夫に溢れたお薦め本です。