挨拶と掃除「当たり前」を徹底することの大切さ 永守重信「情熱・熱意・執念の経営」より | S blog  -えすぶろ-

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-人は年をとるから走るのをやめるのではない、走るのをやめるから年をとるのだ- 『BORN TO RUN』より
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●倒産する会社の共通点

私は、この十数年の間に倒産寸前まで追い込まれていた二十社以上の会社の経営権を譲り受けて、再建にあたってきました。そのほとんどが大企業の子会社でしたが、共通していたのは、工場の清掃が行き届いていない、出勤率が悪い、社員同士であっても挨拶をしないといった、当たり前のことができていないということでした。

赤字会社を黒字にするのは決して難しくはありません。固定費の多くを占める人件費の見直し、と言っても切り詰めるのではなく、出勤率を高めて、工場をきれいにするだけで赤字が黒字になります。

 

●社員の意識を変える

日本電産は十数年前から、二十社以上の経営不振企業を譲り受けて、再建活動に取り組んできました。これまでに私が再建を試みた会社は、すべて順調で、その多くが過去最高益を更新しています。

といっても、社長や役員を交代させることも、社員をリストラすることもありません。基本的には同じ人、同じ商品で再建を進めてきました。

では、何を変えたのかといえば、トップ以下社員全員の意識です。社員の意識が変われば、社員の行動が変わり、会社は生まれ変わることができるのです。

 

日本電産創業者・会長兼社長永守重信の激熱本「情熱・熱意・執念の経営」を久々に読み返してみて、今回はM&Aについて語られている上記の二つの文章が最も心に残りました。
この本は13年前に書かれた本なのでM&Aした会社が20社以上となっていますが、現在では58社にまでなっています。そして、これまで全てのM&Aを成功させています。日本電産は1973年にたった4人でプレハブ小屋からスタートしたベンチャー企業ですが、現在では社員数10万人・売上1兆4880億・営業利益率常時10%以上という超優良巨大企業に成長し、永守会長の強いリーダーシップの下、まだ成長し続けています。その日本電産の成長戦略の柱であるM&A成功の秘訣について永守会長が語ったのが上記の文章です。

 

私も仕事をする中で、「あいさつと掃除」の大切さを痛感してきました。行動と意識(心)とは「卵が先か鶏が先か」と同じような関係だと思います。

社員の意識が変われば、社員の行動が変わり、会社は生まれ変わることができる
このような意識改革を起こす為にはまず、

工場の清掃が行き届いていない、出勤率が悪い、社員同士であっても挨拶をしないといった、当たり前のことができていない

といった状態=一人ひとりの行動をまず変えること。挨拶と掃除、サボり欠勤を無くすというような当たり前のことをできるように指導し、そしてこれを「徹底・継続」できるようにすることが大切なことだと思います。

イエローハット創業者鍵山さんの言葉に「凡事徹底」という言葉もあります。日々、掃除や挨拶といった当たり前の事に真剣に取り組み、徹底・継続していくことこそ、意識改革にとって最重要な取り組みであり、「言うは易く行うは難し」なことでもあります。

今後、更に上のレベルを目指し、もっと力を入れていきたいとあらためて思いました。

 

この文章を読んで「割れ窓理論」を思い出しました。アメリカの犯罪学者が唱えたものです。 「建物の窓ガラスが一つ割れていると、やがて他のガラスも割られ、その場所ではもっと悪質な犯罪が起こるようになっていく。ちょっとした悪事を見過ごしていると、それが重大な犯罪に繋がっていくし、ちょっとした悪事が起こらないようにすれば重大な犯罪も減少していく」 という理論です。
実際に20年以上前、ニューヨークでは市長がこの理論を唱えた学者を顧問に招き、増え続けていた市内の犯罪を激減させたことで有名になりました。特に有名なのは、治安が悪いことで知られていた地下鉄を改善するため、まず壁中に描かれていた落書き(ちょっとした悪事)を消すことから始め、その後、地下鉄内の重大犯罪も激減していったという話です。 
これは職場でも全く同じ、ちょっと散らかっている、一つゴミが落ちている、機械・設備が少し汚れている、たまにあいさつを忘れる、「この位ならいいか」とそれを見過し続けてしまうと、やがて・・・倒産する会社の共通点と同じような状態に陥っていくことに繋がっていくと思います。