「炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】」①私の糖質制限体験と糖質制限についてのおさらい | S blog  -えすぶろ-

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-人は年をとるから走るのをやめるのではない、走るのをやめるから年をとるのだ- 『BORN TO RUN』より
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私は糖質制限関連本の中でダントツに面白くて最も説得力がある本だと思っているのが夏井睦さんの「炭水化物が人類を滅ぼす」という本です。

 

かなり話題になりヒットした本なので、既に読まれている方も多いと思いますが、サブタイトルに「糖質制限からみた生命の科学」とあるように、単なる糖質制限食の本ではなく、糖質制限から人類と生命の壮大な考察が繰り広げられるスケールの大きな本です。その続編がこの「炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】植物vs.ヒトの全人類史」で、この本では更に新たな仮説も展開されていて、また、大変刺激を受けました。

書きたいことが多いので、今後、何回かに分けて書いていきます。

 

●私の糖質制限体験

私も昨年2月から糖質制限を始めて1年10ヵ月経ち、主食や芋、砂糖・清涼飲料等を避ける食生活にすっかり慣れました。元々ご飯・パスタ・ラーメン等大好きだったので、最初の2週間位は辛かったですが・・・(私と同じ50代位の方なら、子供の頃はいかに少ないおかずでたくさんご飯を食べるか?みたいな食生活だったのではないでしょうか・・・)

趣味がマラソンなので、この5年間は毎月平均200km位走っていますが、糖質制限する前は体重が55~58kg程度も変動していました。。。(6年前にランニングを始めたころは月に100kmも走っていなくてもたった2~3ヵ月で体重5kg、ウエスト10cm以上ダウンしたのに。。。人間の体の順応性は恐ろしいものです。)

それが糖質制限食に切り替えてからは、54~55kg程度で安定するようになりました。多少食べ過ぎても炭水化物さえ摂らなければ体重が増えることもウエストが太くなることもなくなりました。

更に風邪もひきにくくなったし、お腹の調子も良くなったし、目覚めがとても良いし、昼食後に眠くならないし、といいことづくめです。今から思うともっと早く始めていればよかったなという感じです。

長距離を走るのに糖質摂取は必須、という固定概念を崩してくれたのが、前作「炭水化物が人類を滅ぼす」と「ボーン・トゥ・ラン」の著者マクドゥーガルが書いた「ナチュラル・ボーン・ヒーローズ」の2冊でした。

「ナチュラル・ボーン・ヒーローズ」についてもいずれ書く予定です。

 

実際に糖質制限食で、毎週土日朝の20~35kmのロング走・LSDも、フルマラソンのレースも、ガス欠になることもなく全く問題無く走れています。運動をする上でも糖質摂取不要を身をもって実感しています。

穀物栽培以前、1万年前までの数十万年間は全人類が糖質制限状態で活動していたわけで当然と言えば当然のことですが・・・

 

●糖質制限についてのおさらい

最近では、もはや常識という感じもありますが、何故糖質制限が体にいいのか?痩せるのか?のおさらいです。

・人類が糖質を大量にとるようになったのは穀物栽培を始めたわずか1万年程度、それ以前は大量の糖質は摂っていなかった。

・何故ならブドウ糖=グルコースを大量に含む食物は自然界には無いから。

・主食と呼ばれるご飯やパン、麺類等とイモ類の加熱デンプンは大量にブドウ糖を含み、デンプン→麦芽糖(ブドウ糖+ブドウ糖)→ブドウ糖と分解吸収され、血中に送られる。

・デンプンは加熱調理されなければほとんど消化吸収されない。

・砂糖や飲料・調味料等あらゆる飲食加工品に使われる果糖ブドウ糖液糖は両方とも裸の状態のブドウ糖+果糖。

主食も砂糖も果糖ブドウ糖液糖も全て人間が調理・精製・加工した人工物。

・血糖値は血中に流れるブドウ糖=グルコースの濃度、上がり過ぎず下がり過ぎないように厳密にコントロールされている。血糖が下がり過ぎないようにするホルモンは5種類ありバックアップ体制が確立されているが、血糖が上がり過ぎないようにするホルモンはインスリンのみ。バックアップも無くセーフティネットも確立されていない。それは自然界にブドウ糖が大量に含まれる食物が無いから。

・血糖値上昇→インスリン分泌→脂肪細胞がグルコースを取り込む→太る。

・ブドウ糖を大量に摂取した時にのみ起こる血糖値の急上昇を血糖値スパイクという。人体にとっては非常事態。インスリンは血糖値が上がってから分泌されるのでインスリンが効くまでの間、糖質制限食以外では毎食後この非常事態が体内で起き続けている。

・血糖=血中のブドウ糖(グルコース)が多過ぎる状態は、活性酸素とAGE(終末糖化産物)が産生される非常に危険な状態。

・インスリンが効かなくなり高血糖値状態が続くのが糖尿病。

・先天的なものが1型、食習慣によって発症するのが2型、2型は糖質制限食で治せるが、これまで通常の糖尿病治療食とされていたカロリー制限食(糖質は制限せずカロリーで制限する)では治せない。

・炭水化物(糖質+繊維)は必須の栄養素ではない。必須なのは三大栄養素の内タンパク質と脂質のみ。
・ブドウ糖=グルコースしかエネルギーとして使えない細胞は赤血球のみ、脳がグルコースしか使えないというのは間違い。脂肪から作られるケトン体も使える。
・赤血球の為のグルコースは肝臓が糖新生を行い体内で作る量で充分まかなえる。また、糖質制限すれば本来体に備わっているケトン体産生・糖新生の作用が活性化する。なので肉や野菜に含まれる微量の糖質摂取のみで何も問題無い。

・糖質は必須栄養ではなく、タバコや酒、麻薬等と同じ、中毒性があり、大量摂取すると体に害がある「嗜好品」。
・果物に多く含まれる果糖は血中には入らないので血糖値は上げないが、肝臓で消化されて即、脂肪になるので肥満の原因になる。
・ご飯やパン、砂糖、果糖ブドウ糖液糖等の人工の糖質摂取により、肥満・生活習慣病・糖尿病・虫歯歯周病になる。
・肥満の脂肪悪玉説は間違い。脂肪摂取で太るのではなく糖質摂取で太る。

・脂肪は糖質に比べ1g当りのカロリーが高いとされるが(9kcal:4kcal)、そもそも食物のカロリー自体、科学的根拠のない、19世紀につくられた「神話」のようなものに過ぎない。

②へ続く