走るために生まれたと思わないとしたら
あなたは歴史を否定しているだけではすまない
あなたという人間を否定しているのです
人は年をとるから走るのをやめるのではない
走るのをやめるから年をとるのだ
BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”/日本放送出版協会
¥2,100 Amazon.co.jp
この本を買ってから既に1年以上経ちますが
いまだに何度も読み返しています。
走っている人にも走っていない人にもオススメできる本。
アメリカのスポーツライターである著者が
趣味のランニングで足を痛め病院へ行くところから話が始まります。
「どうして私の足は痛むのか?」
この素朴な疑問からスタートしてこのノンフィクションは
①伝説の走る民族「タラウマラ族」の探索
②著者のランニング走法の改善と正しい走法
③ランニングシューズ(ここでは代表のナイキが徹底的に叩かれている)が高機能になる程足の故障が増える・メーカーの誤りと過ち
(④ザトペックの逸話)
⑤人類の体は長距離走ができるように進化し、その能力で生き残った
⑥感動のタラウマラ族vsウルトラランナー達の50マイル(80km)レース
と進んでいきます。
とにかく圧倒的に面白い、読み出すとすぐに引き込まれてしまう本です。
そして読んだ後は必ず走り出したくなります。
特に私が何度も何度も読み返しているのは
⑤人類の体は長距離走ができるように進化し、その能力で生き残った
ということが書かれた部分です。
進化生物学のブランブル博士と進化人類学のリーバーマン博士は
人間は走る動物である、という論文を発表していますが、
その結論に至るまでの色々な考察・経緯が書かれていて
毎回引き込まれます。
以下、人類が長距離走者として進化したことの要約
●約200万年前に登場したホモエレクトスは脳が飛躍的に大きくなった。
安定的に高カロリーな食事=肉食ができるようになったから
●槍の先が発明されたのは約20万年前、弓矢は2万年前、それまで200万年近くの間、人は素手で狩猟をしていたはず
●素手の狩猟は追跡狩猟、発汗機能を持たない人間以外の哺乳類を追い回し、
走り続けさせることで体内の熱で死に至らせる狩りの方法。
実際にアフリカのブッシュマンがこの方法で狩りを行うところに同行した学者の回想が出てくる
●「汗腺が数百万もある人間は、進化の市場に現れた史上空前の空冷エンジンだ」
ほとんどの動物は汗をかく機能をもっていないので呼吸で取り込んだ空気で体内を冷やしている。
そのため持久走が苦手。無理に走り続けると体温が上がり続けて死に至る。
●人間は更に直立・無毛の皮膚・細身の体で太陽熱を貯めにくい
●四足歩行の動物はストライドと肺の呼吸が一体のため、一歩につき一呼吸しかできない。人間は二足で走るので肺呼吸とストライドが独立していて歩数に呼吸が縛られない。
●直立しているので走りながら胸を膨らませて空気を吸うことができる
●大きく重い頭は二本脚で走る体のバランスをとるのに腕と共に重要な役割を担っている
●走る動物としての特長、歩く動物チンバンジーにはなく、人間にあるもの
・アキレス腱・土踏まず・大きな大殿筋・項靭帯=後頭部にある頭を支える腱
いずれも走る動物にはある
長距離走は有酸素運動です。
有酸素運動は体内に溜め込んでいる脂肪を燃焼させて行うということでダイエットに効きますが、これも走るために設計された体、という観点から見ると逆ですね。
人間はいつでも走れるように燃料をとっておくために体に脂肪を溜め込み易くできていて、それをとても効率よく使えるということです。
例えば体重50kgで体脂肪10%とものすごく痩せている人でも、約5kgの脂肪=長距離走用燃料を携帯していることになります。
脂肪は1kgで7,000キロカロリーに相当するのでたった体脂肪10%でも35,000キロカロリーものエネルギーを携帯しているということです。
これは50kgの人なら1km走るのに必要なカロリーは約50キロカロリーなので
フルマラソン42.195km=2,100キロカロリー×16回以上も完走出来る程の量です。
走るために生まれたと思わないとしたら
あなたは歴史を否定しているだけではすまない
あなたという人間を否定しているのです
この本を買ってから既に1年以上経ちますが
いまだに何度も読み返しています。
走っている人にも走っていない人にもオススメできる本。
アメリカのスポーツライターである著者が
趣味のランニングで足を痛め病院へ行くところから話が始まります。
「どうして私の足は痛むのか?」
この素朴な疑問からスタートしてこのノンフィクションは
①伝説の走る民族「タラウマラ族」の探索
②著者のランニング走法の改善と正しい走法
③ランニングシューズ(ここでは代表のナイキが徹底的に叩かれている)が高機能になる程足の故障が増える・メーカーの誤りと過ち
(④ザトペックの逸話)
⑤人類の体は長距離走ができるように進化し、その能力で生き残った
⑥感動のタラウマラ族vsウルトラランナー達の50マイル(80km)レース
と進んでいきます。
とにかく圧倒的に面白い、読み出すとすぐに引き込まれてしまう本です。
そして読んだ後は必ず走り出したくなります。
特に私が何度も何度も読み返しているのは
⑤人類の体は長距離走ができるように進化し、その能力で生き残った
ということが書かれた部分です。
進化生物学のブランブル博士と進化人類学のリーバーマン博士は
人間は走る動物である、という論文を発表していますが、
その結論に至るまでの色々な考察・経緯が書かれていて
毎回引き込まれます。
以下、人類が長距離走者として進化したことの要約
●約200万年前に登場したホモエレクトスは脳が飛躍的に大きくなった。
安定的に高カロリーな食事=肉食ができるようになったから
●槍の先が発明されたのは約20万年前、弓矢は2万年前、それまで200万年近くの間、人は素手で狩猟をしていたはず
●素手の狩猟は追跡狩猟、発汗機能を持たない人間以外の哺乳類を追い回し、
走り続けさせることで体内の熱で死に至らせる狩りの方法。
実際にアフリカのブッシュマンがこの方法で狩りを行うところに同行した学者の回想が出てくる
●「汗腺が数百万もある人間は、進化の市場に現れた史上空前の空冷エンジンだ」
ほとんどの動物は汗をかく機能をもっていないので呼吸で取り込んだ空気で体内を冷やしている。
そのため持久走が苦手。無理に走り続けると体温が上がり続けて死に至る。
●人間は更に直立・無毛の皮膚・細身の体で太陽熱を貯めにくい
●四足歩行の動物はストライドと肺の呼吸が一体のため、一歩につき一呼吸しかできない。人間は二足で走るので肺呼吸とストライドが独立していて歩数に呼吸が縛られない。
●直立しているので走りながら胸を膨らませて空気を吸うことができる
●大きく重い頭は二本脚で走る体のバランスをとるのに腕と共に重要な役割を担っている
●走る動物としての特長、歩く動物チンバンジーにはなく、人間にあるもの
・アキレス腱・土踏まず・大きな大殿筋・項靭帯=後頭部にある頭を支える腱
いずれも走る動物にはある
長距離走は有酸素運動です。
有酸素運動は体内に溜め込んでいる脂肪を燃焼させて行うということでダイエットに効きますが、これも走るために設計された体、という観点から見ると逆ですね。
人間はいつでも走れるように燃料をとっておくために体に脂肪を溜め込み易くできていて、それをとても効率よく使えるということです。
例えば体重50kgで体脂肪10%とものすごく痩せている人でも、約5kgの脂肪=長距離走用燃料を携帯していることになります。
脂肪は1kgで7,000キロカロリーに相当するのでたった体脂肪10%でも35,000キロカロリーものエネルギーを携帯しているということです。
これは50kgの人なら1km走るのに必要なカロリーは約50キロカロリーなので
フルマラソン42.195km=2,100キロカロリー×16回以上も完走出来る程の量です。
走るために生まれたと思わないとしたら
あなたは歴史を否定しているだけではすまない
あなたという人間を否定しているのです
人は年をとるから走るのをやめるのではない
走るのをやめるから年をとるのだ