ドラッカー ブライアン看護婦の原則「それは患者にとって一番良いことでしょうか?」 | S blog  -えすぶろ-

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-人は年をとるから走るのをやめるのではない、走るのをやめるから年をとるのだ- 『BORN TO RUN』より
走りながら考える ランニング・読書のブログ

新任の病院長が最初の会議を開いたときに、

あるむずかしい問題について

全員が満足できる答えがまとまったように見えた。

そのときひとりの出席者が、

「この答えに、ブライアン看護婦は満足するだろうか」

と発言した。 

再び 議論が始まり、やがて、はるかに野心的な、

まったく新しい解決策ができた。

その病院長は、ブライアン看護婦が

古参看護婦のひとりであることを後で知った。

特に優れた看護婦でもなく、婦長を務めたこともなかった。 

だが彼女は、担当病棟で何か新しいことが決まりそうになると、

「それは患者にとっていちばんよいことでしょうか」

と必ず聞くことで有名だった。

事実、ブライアン看護婦の病棟の患者は回復が早かった。

こうして病院全体に、

「ブライアン看護婦の原則」

なるものができあがっていた。

病院の誰もが、

「患者にとって最善か」

を常に考えるようになっていた。

今日では、ブライアン看護婦が引退して10年がたつ。

しかし彼女が設定した基準は、

彼女よりも教育や地位が上の人たちに対し、

今も高い評価を課している。


プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))/P・F. ドラッカー



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この「ブライアン看護婦の原則」
私達にとってとても重要な原則です。
この「患者」を「顧客」と置き換えれば
そのまま企業で働く者にとっての原則となり、
「国民」と置き換えれば政治家、
「生徒」と置き換えれば先生の
それぞれ最も本質的で重要な原則となります。

組織は存在することが目的ではない。
種の永続が成功ではない。
その点が動物とは違う。

組織は社会の機関である。
外の環境に対する貢献が目的である。

しかるに、組織は成長するほど、特に成功するほど、
組織に働く者の関心、努力、能力は、
組織の中のことで占領され、
外の世界における本来の任務と成果が忘れられていく。


ともドラッカーはこの著書で言っています。

企業が存在できているのはその企業が作り出す

商品・サービスを必要とする顧客がいるから

という原理原則を見失ってしまわないように

常にこのブライアン看護婦の原則を

自問自答し続けることが大事だと考えます。