- 新任の病院長が最初の会議を開いたときに、
あるむずかしい問題について
全員が満足できる答えがまとまったように見えた。
そのときひとりの出席者が、
「この答えに、ブライアン看護婦は満足するだろうか」
と発言した。
再び 議論が始まり、やがて、はるかに野心的な、
まったく新しい解決策ができた。
その病院長は、ブライアン看護婦が
古参看護婦のひとりであることを後で知った。
特に優れた看護婦でもなく、婦長を務めたこともなかった。
だが彼女は、担当病棟で何か新しいことが決まりそうになると、
「それは患者にとっていちばんよいことでしょうか」
と必ず聞くことで有名だった。
事実、ブライアン看護婦の病棟の患者は回復が早かった。
こうして病院全体に、
「ブライアン看護婦の原則」
なるものができあがっていた。
病院の誰もが、
「患者にとって最善か」
を常に考えるようになっていた。
今日では、ブライアン看護婦が引退して10年がたつ。
しかし彼女が設定した基準は、
彼女よりも教育や地位が上の人たちに対し、
今も高い評価を課している。
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ともドラッカーはこの著書で言っています。
企業が存在できているのはその企業が作り出す
商品・サービスを必要とする顧客がいるから
という原理原則を見失ってしまわないように
常にこのブライアン看護婦の原則を
自問自答し続けることが大事だと考えます。