逆境、試練は神様の贈り物で、
乗り越えられないものは神様は与えないんですよね。
そこにはヒントがいっぱいあって、
宝の山なんですよ。
逆境が考える題材を与えてくれるんですから。
そこが人間の知恵のだしどころなんですよね。
致知12月号より
目下3季連続全国制覇中の常勝チーム、
東福岡高校ラグビー部の谷崎重幸監督の言葉です。
この谷崎監督は11年前に奥さんが38歳の若さで癌で亡くなり、
3年間休職をしてニュージーランドに行かれていたそうです。
そういった逆境を乗り越えてきた中で、
この言葉の通り、生き方、考え方、
生徒の指導の仕方、チームの作り方、
そういったものに気付いて、
それまでの自分の考えを一方的に押し付ける熱血指導から
生徒各自の個性を認め、尊重して、
生徒達に自主的に考えさせる指導に変え、
常勝チームに変わっていったそうです。
「我利我利君」じゃダメだ。
「利他無私君」にならないと、とよく話すんです。
他人の利益のために私欲をなくして行動する。
そのためにはチームへ貢献することがいかに大事か
という価値観を持たせることですね。
私が監督として心掛けているのは
「違いを認める」ということのほかに、
「楽しむ」ということです。
ただしそれは、単にエンジョイするという意味ではない。
その物事を全身全霊を打ち込める能力が自分に備わっていて、
それを発揮できる場所があるということ。
周りの人に支えてもらっているおかげで、
いまこれができるんだという感謝の気持ちを抱きながら、
目の前のことに全力で取り組むことだと思うんです。
そしてそれぞれの持ち味や個性を認め合って、
それをいかに同じ方向に向けられるか。
悪い部分を直す前に、
いい部分をどんどん伸ばしていくことが大切だと思います。
そうすると、選手は子供の成長と同じように、
最初はお母さんにオムツを替えてもらったり、
いろいろ世話をしてもらう
「もらう幸せ」
だったのが、
自立して一人で着替えられるといった
「できる幸せ」
になる。
さらに、自分の行いによって人に喜びや感動を与えたりする
「あげる幸せ」
になるんです。
そうやって自分の行動が昇華していくにつれて、
自らの存在価値が感じられ、
それが生き甲斐へと繋がると思うんです。
谷崎監督、
ずば抜けてすごいリーダー・マネジャーだと思います。