極限状態に陥ると、逆転現象が起きて物事は好転していく | S blog  -えすぶろ-

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-人は年をとるから走るのをやめるのではない、走るのをやめるから年をとるのだ- 『BORN TO RUN』より
走りながら考える ランニング・読書のブログ

感動した話です

『極限状態に至ると逆転現象が起こる』

先日、ある大きな会社の社長さんに

お会いする機会がありました。

その社長さんは最近、

糖尿病からくる緑内障の手術を受けました。

手術前、

「うまくいけば視力は回復します。

しかし万一の場合、失明する可能性があります」

と医師から忠告を受けていたのですが、

不幸にして失明してしまいました。

覚悟はしていたものの、

いざ光を失った苦しみは、

到底言葉で表現できるものではありませんでした。

加えて、責任ある社長としてやるべき仕事は山積です。

後継者にと思っている息子も親の目から見たらまだまだこれから。

この先どうしたらいいのかと思うと、絶望しかありませんでした。

二ヶ月、三ヶ月と塞ぎ込むだけの日々が続いた後、

「もう目は見えないんだ」というあきらめに似た思いが湧いてきました。

「仕方がない。

この見えない生活を死ぬまで続けていこう。

これが自分が生きていく道なのだ」

そう境遇を素直に受け入れると、

不思議に冷静さを取り戻せたといいます。

と同時に、

生かされていることへの深い深いえも言われぬ喜びが、

心の底から湧き上がるのを感じたというのです。

地獄から這い出し、

明るく歩き始めた社長さんはある変化に気づきました。

それまで自分に距離を置いていた人が、

そばに来て自然に話しかけるようになりました。

いつまでも子供と思っていた息子は立派に自立し、

すすんで力を貸してくれる人も次々に現れました。

会社のことも社員の事も心配することはない、

皆自分の持ち場で精一杯やってくれている

という安心感が生まれ、

いまでは周囲の人の成長ぶりが

見えない目で見えるようになったといいます。

「人間というのは極限状態に陥ると、

逆転して生きる力が湧いてくるものなのですね。

失明というのは辛い体験でしたが、

それまで分からない世界が、

失明したことによって見えるようになりました」 


立ち直った社長さんの言葉です。

現実の世界では、様々な問題が起こってきます。

時には人間の努力ではいかんともし難い問題に

直面することもあります。

耐えかねて自殺を図ったり、

精神的な病を得たりする人が増え続けている現実は、

とても悲しいことです。

しかし、いかにどん底のように思えても、

それで終わりではありません。

静かに現実を受け入れて、じっと踏み止まっていれば、

やがて逆転現象が起きて物事は好転していきます。


目の前の試練は神の御業を現すためのものなのです。

何か問題にぶつかってくじけそうな時、

どうかそのことを思い出し、

力強く乗り越えていただきたいものだと思います。

そこに幸せな世界が開けていることでしょう。 

『致知』8月号連載記事より抜粋

国際コミュ二オン学会名誉会長 鈴木秀子


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起こってしまった出来事、事実は変えられなくても

自分の受け止め方は変えられる。

自分の心が変わると周囲の人との関係が変わる

見える世界も変わる