世の中はコロナ禍に入って一年が過ぎたころ。


夫は本業とは別で、店を始めたいと言い出したのです。


私は反対しました。もちろん身内も反対しました。


こんなご時世だし、飲食の経験などゼロに近いのに、無謀な挑戦だし、家のローンもある、子供も小さい、何かあったらどうするんだと。


でも私や周囲の反対などお構いなしに結局始めてしまいました。

どのように募集したのか知りませんが、学生アルバイトを数人雇い、一人だけフルタイムで働く30代半ばのパート女性(パー女)を雇っていました。


はじめの頃は、夫が本業でいない間はパー女が店を開け夕方まで働き、夫が本業後に店に行き閉店の21時までと、入れ違いでやっていたようです。


当時は、パー女の事を、日中よく働いてくれて、いいパートさんが入ってくれて助かったね、

と思っていました。


店はさほどの儲けはないものの赤字にはならず、家に帰って来る夫は、忙しいが毎日が充実しているようで、最近よく寝られる!楽しい!

と言っていました。


人生は一度きり。

私もパートでの仕事をチャレンジして良かったと思っていたし、そんな夫を見てると、今まで色々あったけど、後で後悔するより始めさせて良かったのかな~と思いました。


毎晩家で夜ご飯はを食べてたし、週末も家族で出掛けたりと、平穏な日々を過ごしていました。


ただ、時々帰らない日があったのです。

もちろん電話も出ない。


そんな日は決まって翌日の朝帰宅して「仕込みして疲れて店で寝てた」と。


店は二階建てですが、一階はカウンターのみ、二階は物置に使ってると聞いていましたので、


カウンターに置いてある椅子を並べて寝たのかな?

とか、ちゃんと寝れたのかな?疲れてるしそんな事もあるか


その頃は疑わしいような素振りは微塵もなかったので、当時はそんな風に思っていました。


そして時々休日の夜に散歩してくると言い、2〜3時間帰って来ない日もありました。

子供が散歩に付いて行く〜!と言っても、一人で考え事しながら歩きたいからと、慌てて出て行くのです。


家の中でもウロウロ歩き回って落ち着きがない日もありました。



一人の時間はだれしも必要です。

私は何も言わずそっと見守っていました。