福井の友人が、下にある5月2日付朝日新聞福井版の記事をFacebookに上げてくれた。

 5月3日の憲法記念日を前に「憲法を考える」という特集として、石森修一郎さんが平日の正午から一時間、福井県庁前でやっている「ランチタイムアピール」について取材した記事だ。詳しいことは、下の記事を読んでほしいと思う。

 記事のタイトルが「『ふだん』の努力」となっているのだが、これは日本国憲法第十二条のこの憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」という一文の「不断の努力」からきているのは明白。

 でも「不断の努力」じゃなくて、「『ふだん』の努力」とわざわざひらがなで書いてあるんだよな。これはなかなか意味深なタイトルだよな。

 辞書を調べると、もともと「ふだん」には「不断」という字を当てるのが正しいのだそうだ。しかし「日常不断」という言葉もあるように、常日頃からという意味もあることから、次第に「普段」という字も当てられるようになったらしい。

 まぁでも、ふだん着は「普段着」とは書いても「不断着」とは書かない。水野スウさんが言っている「12条する」というのも、ふだん着で日常生活の中でかしこまらずに、憲法について話し合っていこうというものだ。

 この記事のタイトル「『ふだん』の努力」は、水野スウさんの著書『あなたとわたしの・憲法BOOK』の第三章「“ふだん”の努力」からきているのは間違いない。憲法が保障している人民の諸権利を守り抜くためには「不断の努力」が必要だが、それも「普段着」のスタイルでかしこまらずに、という思いが込められているようだ。

 この記事は、日本国憲法第21条の「表現の自由」について展開してあって、第12条のことは直接は出てこない。だが、「表現の自由」もとても大事な権利。それを守り抜くための「『ふだん』の努力」。なかなか気の利いた見出しだなぁと思った次第である。