"私、ここで働いてみたいです!"
そう言ったあの日から実に7年くらい経ちました
今日のお話は、大学を卒業してから長いこと
アルバイトとしてお世話になった"とり藤"の話。
(少し後半では音楽も絡めてます)
あの日佐藤は大学のVn.専攻の友人に連れられて大阪は福島の居酒屋を訪れていた。
"バイトを募集してるらしい"
と常連の彼女はそう言うと
佐藤に合ってそうやからと紹介してくれた。
飲食の勤務経験がなかった佐藤はカウンター席で
イキイキと働く元気なスタッフや美味しい料理に惹かれ、この店でバイトしてみたいと強く思った
大学を卒業したからってすぐに演奏やレッスンで生計を立てれるとは思っていなかったので当然の判断であるが、佐藤は勇気を出してカウンターから社員さんに声掛けてみた。
佐藤
"私、ここで働いてみたいです!"
社員さんA
"お前飲食やったことあんの?"
佐藤
"ないです"
社員さんA
"じゃあ無理やわ、やめとけ"
社員さんB
"いやいやいや、俺たちは麦わらの一味みたいに音楽家を求めててん!是非一緒に盛り上げようや!"
…てな感じで、"とり藤"でのスタッフ生活がスタートしました。笑
社員はゴリゴリのウェーイ系、バイトもウェーイかギャルみたいな感じの店で、久しく感じてなかったラフな人付き合いの中での仕事。
とても楽しかった。
大阪の居酒屋らしく、接客にもかなり力を入れていて、社長の方針としても
"お客さま一人一人と向き合う"
を大切にされているとお話されていた。
料理やお酒はもちろん、スタッフとの会話を楽しみに沢山のお客さんが来店されていた。
佐藤はというとあっという間にとり藤ファミリーの仲間入りを果たし、拙いながらも一生懸命仕事に励んだ。お客さんの中には佐藤の接客を求めて来店される方もそれなりにおられて嬉しかった
(勿論料理が美味い店やからやけど笑)
社長が元芸人というのもあってか、職場での音楽家として生きていきたいという佐藤の想いには
かなりの理解があった。
急遽入ったレッスンやエキストラの仕事は
"俺らがなんとか回すからお前は本業頑張れ"
コンクール受けたいから
1ヶ月休みたいと申し出た時も
快く承諾してくれて。
賞とって帰ってきたらみんなで喜んでくれて。
スタッフや常連さんにはコンサートに来てくれる人もいたり、シンフォニーホールという大きなホールの近くということもあり、現場でご一緒したことのある同業者や、とんでもなく目上の先生方がたまたま来店されることもしばしば。
音楽家としての"佐藤宏亮"
ではなく、とり藤の"さとぅー"としての
確かな居場所にもなった。
そんな佐藤も2、3年前から徐々に仕事が増えると共にアルバイトに行かなくなっていった。
それでも店は籍だけ置いておくからいつでも働きに来てくれたらいいと歓迎してくれていたので、人が足りてない時に空いてたら仕事帰りだろうと少し働きに行くような感じになった。
そして飲食業を通じて佐藤は次第に
"料理やお酒を提供することとステージで音楽を届けることは似ている"
ということに気付き出した。
お客さん一人一人と向き合う音楽がしたいなと思うし、コース料理とプログラムが決まったコンサートって同じやなと。
お客さんは料理(音楽や曲)だけでなくスタッフとの会話や店の雰囲気(MCやプログラム、奏者の人間性など)も総合的に見て良し悪しを判断するし。
音楽もただ上手けりゃいいってもんじゃない。
演奏を通じてその奏者の人間も垣間見えるし、
凝ったデザインのフライヤーやプログラム、MCは必ず人の心を掴む。
勿論めっちゃ無愛想な大将やのに極上のラーメン屋もあったり、料理微妙でも人が良くてお客さんが集う店があったりケースバイケースやけどね。
兎にも角にも、佐藤の人生において本当に大切なことをたくさん教えてくれたとり藤は
2021年2月6日で閉店。
…まぁコロナの影響ではなくて
単に今入ってる飲食街が耐震問題で
建て替え(?)するのに退去するだけで、
すぐ近くで再オープンするんやけどね!笑
それでもお世話になったあの店、沢山の社員さんと卒業していったバイトの子たち、いつも応援してくれたお客さん。感謝感謝です。
今までありがとうございました。
これからは新しくなった"とり藤"を
皆さん、どうぞよろしくお願いします。
もしたまたま本業が暇でお店に佐藤が…
いや、"さとぅー"がいたら
その時はお話しませう。
ここまで読んでくださった皆さま。
"よっ!おーきに!!"


















