確かに昨日と今日の天候はおかしい。(金融市場コラム)IMF、「ドル離れ」の背中押す 4月19日 22時25分

外国為替市場では対欧州、オセアニア通貨を中心にドル弱気派が優位に立っている。ユーロ圏や豪州、英国で景気楽観論と金利先高観が広がる一方、米国では住宅市場などの先行き不透明感が残り、政策金利は当分据え置かれるとの予想が多いためだ。しかも最近、年金資金や各国の外貨準備といった腰の据わったマネーの「ドル離れ」が進んでいる気配がある。
ドルの下落ペースが速まり始めたのは前週10日以降。代表的な「調達通貨」である円との連動性が一時高まった。円については13日開催の7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で現状の円安が黙認されるとの観測、ドルは欧州、オセアニアとの景況感格差といったもっともらしい理由が挙げられていたものの、市場には戸惑いもあった。6日発表の3月の米雇用統計が良好な米雇用環境を示したばかりだったからだ。なぜこのタイミングでドル売りが膨らんだのか――。
伏兵は意外なところに隠れていたようだ。国際通貨基金(IMF)は10日発表した「世界の金融安定に関する報告書」の中で、「基礎的なリスクと条件は2006年9月以降に若干変わり、金融の安定性低下につながる可能性が出てきた」と指摘。米国ではサブプライム(信用力の低い個人)向け住宅ローン問題がリスクとの見方を示した。住宅市場の減速感が強まる中で悪化に歯止めがかかっていないと分析している。
さらに報告書では米国の巨額の経常赤字問題も取り上げ、将来のドル安の可能性に言及した。これが各国中銀の幹部や長期投資家の心の琴線に触れたようで「米ドルから高金利の欧州、オセアニア通貨建て資産への資金シフトが活発になっている」(マットキャピタルマネジメント)。もともとドル離れに傾きつつあった各国中銀にとっては「渡りに船」だったのかもしれない。緩やかなドル安進行であれば米経済や金融市場への打撃も少ない。
13 日のG7会議後に公表された共同声明の冒頭では、「世界経済は過去30年あまりで最も力強く持続的な拡大を経験しており、一段とバランスが取れたものとなっている」との見解表明があった。米経済については「引き続き堅調」。市場では「あまりにも楽観的過ぎる」といぶかる声もあったが、背後で進んでいた世界的なポートフォリオ組み換えの側面支援だったとしたら――。うがった見方だろうか。(GI 今 晶)