今まで行ったアストロプロダクツのAP直流半自動溶接機の改造についてまとめてみました。
今までの改造は
①ガス化
②ライナー(コンジットチューブ)の交換
③出力コンデンサーの追加
です。
100V電源ではガス化して0.6mmワイヤーを使用しても溶け込みが十分でなく、③の出力コンデンサーの追加で使えるようになりましたので①ガス化③出力コンデンサーの追加を同時に行うほうがいいと思います。
昇圧トランスで115Vや120Vにした場合は③出力コンデンサーの追加は必要ないかもしれません。
①のガス化のポイントは
トーチの改造
エアーソレノイドの追加
0.6mmワイヤの使用
です。
初めは純正のライナー(コンジットチューブ)を使用していましたが、だんだんとワイヤーの送りが不安定となってきたのでパナソニックのコンジェットチューブ(TDT00260)に交換しました。
原因は使用するワイヤーを0.8mmから0.6mmに変えたので接触圧が上がり樹脂製の純正ライナー(コンジットチューブ)の磨耗が早く進んだためだと思っています。
なので、②ライナー(コンジットチューブ)の交換も同時に行うほうがいいと思います。
改造例を説明する前に、素人の改造例ですので同様の改造を行う場合は自己責任で行ってください。
では、アストロプロダクツ AP直流半自動溶接機を
①ガス化
②ライナー(コンジットチューブ)の交換
③出力コンデンサーの追加
を同時に行う場合の改造方法を説明します。
まずは簡単な全体の配線図と溶接機の内部部品の説明です。
配線図は
黄色のところがメイン基盤
青色のところが①ガス化
赤色のところが③出力コンデンサーの追加
の変更箇所です。
次は、ガス化でのトーチの改造です。
作成したパーツです。右上の部品は純正部品で純正ライナーを使用するなら左側のパーツにねじ込みます。右下はライナーを交換するときに左側のパーツに半田付けします。
この真鍮製パーツを作成が一番難しいです。このパーツは旋盤を持たれている方は簡単に作成できますが、持たれていない方は左側のネジ部分を別に作って半田付けしたりボール盤を使って各部品の中心に穴を開けたりと結構大変です。
次は、ライナーの交換です。
純正ライナーを使用する場合は必要ありません。使用したライナーはパナソニックのコンジェットチューブ(TDT00260)です。このライナーに内径4mmのチューブを被せて使用します。チューブを被せるのは埃の防止シールドガスの漏れ防止トーチ側でのライナの固定のためです。トーチの改造の所で分かるようにシールドガスはトーチのところでワイヤーと合流します。このときライナー側にもガスが流れますが、ライナーの長さとワイヤーの入り口が狭くなっているのであまり漏れないようするためです。
供給装置側の改造は
こんな感じです。ライナーに被せたチューブは真鍮部分に被せます。ローラー側に差し込まれているものは、切ったライナーに熱収縮チューブを被せた上に絶縁チューブで外径を合わせたものです。手元にあった部品を加工して作成しているのでゴムチューブを被せたりなど場当たり的に作っていますので、もっといい方法があると思います。ライナーの真鍮部分が固定できてワイヤーがライナへスムーズに通るようにしたらいいので、切ったライナを真鍮部分に差し込めるようにして硬質ゴムや樹脂で固定してほうが簡単だと思います。
次は、エアーソレノイドバルブの取り付けです。
配線図の青色の所を見てください。トーチスイッチを押すと基盤上のリレーがオンになり、青色の所に100Vの電圧が掛かります。ここから電源をとるとトーチスイッチのオン・オフに同調してエアーソレノイドのオン・オフができるようになります。手元にあった12Vのエアーソレノイドを使ったのでDCアダプターを使って100Vを12Vに落として作動させています。出力トランスの出力側は出力セレクターの設定で電圧が変わるので使うのをやめました。後は、シールドガス用のエアーチューブをトーチまで伸ばしてトーチの改造で作ったパーツへ取り付けと、供給側のチューブを外に出すと終わりです。純正トーチケーブルのカーバーはエアーチューブを通すには細いので外側に出してスパイラルチューブでカバーしました。これでガス化の溶接機側の改造は終わりです。
次は、出力コンデンサーの追加です。
回路図の赤色のところをみてください。ハッキリ覚えていないのですが、元の配線は配線図の黒色のダイオードブリッジの+-出力の所からトーチスイッチとモータの所に配線がされていたと思います。これを配線図のように変更します。コンデンサーの取り付けは極性に注意してください。写真では左が+で右が-になっていますが、部品が変わって極性が変わっていることも考えられるのでテスターなどで確認したほうがいいと思います。取り付けた電解コンデンサーは75V 3,500μF × 2個55V 2,200μF × 5個合計 18,000μFです。あと0.6mmワイヤーを使用する場合は、フィードローラをひっくり返して0.6mmワイヤー用の溝を使用します。ガスで使用する場合は トーチ側が+ガスレスで使用する場合は トーチ側が-に変更します。
以上が今までの改造のまとめです。
ここからは追加改造です。
ガス化したのでガス用のワイヤーを使うのですが、ノンガスワイヤーの様な小さいワイヤは無いので5Kgや10Kgワイヤをノンガス用のリールに巻きなおして使用していました。やすかるさんに5Kgワイヤが入ることを教えていただいたのでその改造です。作成した部品は
です。左側は溶接機の鉄板は薄いので補強材で右側は手元にあった短管パイプを切り内側に仕切り板を片側のみ溶接したものです。これを溶接機にボルト止めして100円ショップで買ったプラスチックまな板をスペーサーとすべりをよくするために取り付けました。元のワイヤーリールの軸は小径のワイヤーリールが取り付けできるように置いておきました。5Kgのワイヤリールをセットすると上カバーのプラスチックに当たるので削ってセットリールの押さえは元からあるノンガス用のリールの取り付け軸にアルミ板を止めて作成しました。あと、ワイヤリールが上のプラスチックに当たるので削ってます。ワイヤーリールが上のほうに取り付けたのでワイヤーに角度がつくので、ミシンのボビンを利用して角度を修正しまた。ちょっと低すぎましたが様子をみて修正することにします。今まで使っていたDCアダプターとエアーソレノイドバルブのおき場所が無くなったので代替品が見つかるまでケースの外に取り付けて使用することにしました。追加改造をしましたのでこちらも参考にしてください