大前研一氏が宮崎先生と同じことを言い出しています。「EVはお終い」というコラムです。発売されたばかりの『プレジデント』誌(2月2日号)です。
理由は充電に時間がかかり不経済的。まして脱炭素といっても電気は石炭、石油を燃やすわけだからEVはそもそも虚報のうえに成り立った議論でしかなく、80%EV化したノルウェイが深く後悔している由。
EUもしずかにEV化計画を引っ込めたうえ、BYD輸入に規制をかけるとした。
今後、トヨタの一人勝ちになるのはテスラが200万台にリコールを抱え苦戦に陥ったうえ、EV化に反対したUAWは45日間のストライキの結果、25%の賃上げ、つまり時給が4300円! これではビッグスリーは価格競争力を失ったも同然。米国トヨタは9%の賃上げだが、UAWには加盟していない。したがってハイブリッドが見直されたという論理です。
(DD生、岐阜)
(宮崎正弘のコメント)中国でBYDがテスラを販売台数で抜き去りましたがおそらくこれがピーク。BYDは巨額の補助金と減免税制度。上からの強制割り当てという裏のカラクリがあります。大衆の人気は圧倒的にレクサスです。
テスラの日本における販売実績はわずか6000台(22年)でした。23年度の販売台数はまだ公表されていません。
ならば中国製「BYD」の日本における販売実績はいかに?
「2023年初めにBYDが日本で販売したEVは23年1月が20台、2月が37台、3月が151台で、3カ月の合計は252台だった。その後、販売台数は100台近くを保ちながら推移し、10月には138台、11月には164台となった。わずかな台数の商用車も含め、1~11月の累計販売台数は1237台だった」(ヤフーニュース、1月8日)。
たったの1200台とは大赤字。日本撤退は時間の問題でしょう。
ちなみにテスラは時価総額でトヨタを超えたのは2022年で、テスラが22兆6000億円、トヨタは21兆7000億円でした。過去一年のテスラの株価はピークが23年7月19日の299ドル29セント。1月10日の終値は233ドル94セントでした。
2024年は、明暗がくっきりと分かれると思います。