富士重、「軽」の半世紀に幕 普通車に注力し勝ち残りへ | 犬の散歩のしつけ

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富士重工業が、半世紀を超える軽自動車づくりを終えた。いま軽自動車は、低燃費と安さで人気を集めている。それでも退く。乗用車に経営資源を集中させ、「個性的な中堅メーカー」として国際競争を勝ち抜きたいというが、乗り越えるべき課題はまだ残っている。


時代の変化に対応

富士重の群馬製作所本工場(群馬県太田市)で29日午前、軽自動車の生産が終了した。富士重で最後の「軽」となった「サンバー」が生産ラインから姿を消した。

このラインは3月から、トヨタ自動車と共同開発した小型スポーツカー「スバルBRZ」と「86(ハチロク)」の生産ラインに変わる。近くの矢島工場(同市)でつくる人気車種の新型インプレッサをラインに流せる態勢づくりも急ぐ。

「(29日は)サンバーの生産終了と同時に、スタートでもある。小型車工場に変えるのは将来を切り開くための取り組みだ」。前日の「終了」式典で、吉永泰之社長は従業員らにそう語りかけた。「軽の損益は厳しい。大変寂しいが、時代の変化に対応していく」とも話した。

戦前の航空機メーカー「中島飛行機」を前身として1953年に設立された富士重は、「スバル」ブランドで展開。58年には「てんとう虫」の愛称で親しまれた「スバル360」を発売した。日本の「軽」の草分けだ。「軽」の累計生産台数は9車種800万台超にのぼる。

その富士重が「軽」の開発・生産からの撤退を決めたのは4年前だった。

「軽」は国内新車市場の3割強を占め、ホンダが約5年ぶりに新型車を出すなど、各社が品ぞろえを強めている。だが、低価格で利幅が薄く、開発費がかさむ割に1台あたりのもうけは少ない。

富士重全体の年間生産台数は60万台前後だが、「軽」の割合は以前より落ち込んで10年度は1割強に。全体のボリュームからいっても、「軽」から乗用車まで自前で開発するのは重い負担になっていた。

このため、得意の水平対向エンジンなどを生かした乗用車の開発・生産に集中することにした。「軽」は、資本提携先のトヨタ傘下のダイハツ工業からOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受ける。


海外生産の強化へ

これからの課題を富士重は、いかにスムーズに海外生産比率を高めるかに置いている。

国内でつくって輸出する車が多い富士重は、それだけ円高の影響を受けやすい。歴史的な円高が響いて今年度の減益は確実だが、利幅の大きい中小型車が下支えし、380億円の営業利益を確保する見通しだ。

今年の世界販売台数の目標は、過去最高の70万台。米国では、インディアナ州の工場でつくるレガシィやアウトバックなど利幅の大きい乗用車がよく売れている。新型インプレッサも好調で輸出も急増。昨年は米国で過去最高となる26万7千台を売った。今年は32万台の販売を計画している。中国や欧州でも軒並み前年比2ケタ増を見込む。

今後は「売れるところでつくる」体制を整えようとしている。ただ、いまの富士重の海外工場はインディアナ州の工場のみ。需要に応じた海外生産の強化が欠かせない。

昨年7月、中国に年15万台規模の生産能力を持つ新工場を建設する計画を発表した。だが、中国政府との交渉は難航し、認可が遅れている。

設備投資に回せる資金は当然、限られてもいる。中国での交渉と並行して、インディアナ工場の能力増強も検討している。日本での生産は続けつつ、どう海外比率を高めるか。投資の優先順位をいかにつけるかの判断も迫られる。

出典:朝日新聞