2013年製作のアメリカ映画(正確にはアメリカとドイツの合作)

「やさしい本泥棒」を観ました!!

日本では、当初2014年に劇場公開される予定だったそうですが、

なぜか中止になってしまったそうです。。

 

ネット上の評価が高く、好意的なレビューも

とても多かったので借りてみましたグッド!

 

音楽は「スター・ウォーズ」「ジョーズ」

「ハリー・ポッター」などで有名なジョン・ウィリアムズが作曲。

2013年度のアカデミー賞ゴールデン・グローブ賞で、

作曲賞にノミネートされています。

 

今回の記事では、映画冒頭から登場する“謎めいたナレーター”

正体を明かしてしまっているので、ネタバレ有りです。

まっさらで鑑賞したい方はご注意ください注意

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二次世界大戦前夜の1938年、主人公の少女・リーゼルに先立たれ、

ミュンヘン近郊の田舎町へ里子に出されて母親と別々に暮らすことになる。

 

里親のハンスリーゼル「墓掘り人の手引き」という奇妙な本を

肌身離さず持っていることから、彼女が字を読めないことに気が付き、

本を読み聞かせるようになる。

そして、リーゼルは読み書きを学び、たくさんの本を通じて

知識だけでなく、勇気と希望を与えられるのだった。

しかし、折りしもドイツはナチスによって自由を奪われ、

本を読むことすら禁じられる。

 

ある日リーゼルは、反ユダヤ主義の暴動が激化する広場で

焼かれた大量の本の中から、焼け残った1冊の本を

こっそりと持ち帰るのだが・・・という感じの物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナチス政権下のドイツを舞台にしているので、

戦争やホロコーストにまつわるストーリーが展開されていきますが、

この映画では、戦争やホロコーストそのものにスポットを
当てるのではなく、過酷で貧しい戦時下でも

ささやかな幸せを感じながら生きようとする

人々の姿を中心に描いているのが特長です。

第二次世界大戦を描いた映画としては、比較的地味ですが、

とても温かみのあるヒューマンドラマで、

観終わって何日も経つ今も余韻が残る感動作でしたグッド!

 

なので、派手な戦争描写を期待してしまうと

拍子抜けすること間違いなしです。

ユダヤ人迫害や戦争の恐怖を描きつつも、

悲壮感は最小限に抑えられ、悲劇的な展開も

あくまでも日常の延長であるかのようにさらりと描かれています。

 

養母・ローザが、給付金目的主人公・リーゼルを迎え入れた事や、

リーゼルのことを「共産主義者の娘は小汚い」と言い放った時は、

この先リーゼルが幸せになれるとはとても思えませんでしたが、

優しく寛容でユーモラスな養父・ハンスから文字を学んだリーゼル

様々な文学とふれ合う中で、強く明るく成長していきます。

そんなリーゼルの姿や、周囲の人々との心温まる交流からは、

爽やかで心地よい感動を味わうことができますキラキラ

 

ほんのりファンタジーを感じさせる“不思議なナレーション”も、

映画全体に文学的な彩りをプラスしていて良いですねグッド!

第二次世界大戦を“死神目線”で語っているところが

とても新鮮で面白いと思いました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この映画では、子供たちの世界が生き生きと描かれていますが、

どこの国にもあるような、子供らしい日常の中にも、

ヒットラーの思想が見え隠れし、子供たちの間であっても

うかつな事を口にすれば命取りになるという辺りが

とてもスリリングでした。

 

主人公の少女・リーゼルを演じたのは、以前紹介したカナダ映画

「ぼくたちのムッシュ・ラザール」にも出演していた

ソフィー・ネリッセ。まだまだ若手の新人ですが、

ベテラン俳優のジェフリー・ラッシュや、

エミリー・ワトソンとの親子演技はお見事で、

今後の活躍を予感させるものがありましたグッド!

 

養父・ハンスを演じたジェフリー・ラッシュ

「英国王のスピーチ」で言語療法士を演じた役者)の演技は

この映画の最大の見所と言っても良いくらい素晴らしく、

作品全体から放たれる温もりや魅力の源泉だと思いますアップ

厳しく口うるさいけれども、実は愛情深い養母を演じた

エミリー・ワトソンの演技も味わい深く、

このベテラン俳優2人の安定感のある夫婦演技が

作品のクオリティを押しあげるパワーとなっている気がします。

 

一つ難点を言えば、ドイツが舞台なのに全員英語を喋っている

ところです。。他の方のレビューで事前に知った上で観たので、

あまり違和感を感じずに観れましたが、全編ドイツ語だったら

もっとリアリティがあって、素晴らしい映画になったはず

と思うと、ちょっと残念です。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

同じ時代のドイツを舞台とした映画、例えば

「アンナとロッテ」「アンネの日記」のような、

心揺さぶられる激動のドラマと比べてしまうと、

物語自体はとても平坦に感じますが、鑑賞の後々までも

心に残る、不思議な魅力を持った良作ですビックリマーク

 

戦争自体に主眼を置いていない人間ドラマなので、

戦争映画が嫌いな方でも多分楽しめるはずグッド!

先日紹介した「アイヒマン・ショー」のような生々しさも無く、

家族みんなで観ても楽しめる映画だと思います。

良かったらぜひ観てみて下さいビックリマーク

 

 

 

 

 

 

どくしゃになってね…

 

 

 

 

 

 

 

「やさしい本泥棒」予告編