2015年2月公開の日本映画で、岩井俊二監督初の
長編アニメーション作品でもある「花とアリス殺人事件」を観ました!!

先日紹介した「花とアリス」を観た時から
ずっと気になりつつ、後回しにしていた作品。
ネット上の評価は、「花とアリス」程ではないものの、
なかなかの好評価と好意的なレビューを獲得していますグッド!

「花とアリス」の前日譚となる物語ということで、
2人の出会いが描かれる他、“殺人事件”という
前作の雰囲気からは考えられないワードも気になるところです。

本作の制作にあたっては、蒼井優鈴木杏など、
前作のキャストが声優として再集結。
「花とアリス」の世界がどんな風に広がっていくのか、
期待しつつ、観始めましたアップ

「花とアリス」の紹介記事はこちら


















石ノ森学園中学校へ転校してきた中学3年生の有栖川徹子(アリス)は、
1年前に3年1組で「ユダが、四人のユダに殺された」という噂を聞く。
さらに、アリスの隣の家が「花屋敷」と呼ばれ、怖れられていることも。。。

花屋敷に住むという同級生の「ハナ」ならユダについて
詳しいはずだと知ったアリスは、花屋敷に潜入する。
そこで待ち構えていたのは、引きこもりのクラスメイト・荒井花だった。

ユダは本当に殺されたのかはてなマーク は何故、引きこもり続けているのかはてなマーク
ふたりの少女の「世界で一番小さな殺人事件」の謎を解く冒険が始まる
・・・という感じの物語。



















やっぱり良いですね~w このシリーズの雰囲気が
本当に大好きだビックリマークというのを改めて実感しましたアップ

「殺人事件」というタイトルのとおり、前作には無かった
ミステリー要素がありますが、基本的には前作同様、
何でもない日常を淡々と綴った作品なので
好みは分かれるかもしれません。

多分、物語がどうこうと言うよりは、花とアリスの関係性から
生まれてくる独特の空気や、2人の持つワールドを
好きになれるかどうか
が、この映画を楽しめるかどうかの
分かれ道のような気がします。

相変わらず、アリスに振り回され、もまたアリス
振り回されていきます。その面白おかしさは、
爆笑ではなく、痛快なわけでもなく、クスクス笑える程度ですが、
そのむずがゆい面白さがとても良いと思える作品ですグッド!

岩井監督は、この2人の関係性について、

「ひと言でいうと、悪友なんだと思うんですよね。
どっちも、どこかでお互いを迷惑なヤツだと思っているという(笑)。
決して親友だとか、仲良しとかじゃなくて、
しょうがないなと思いながらつき合っている相手なんだけど、
その関係性に自分の世界観がすごく出ているのかなって気がします。」


と語り、続けて自分自身の中にどんな風にその世界観が
構築されてきたのかを語っていますが、
この何とも言えない空気感は、監督自身が大人になっていく過程の中で
形成された内面からにじみ出てきたものであり、そういう意味で
この作品もまた「岩井ワールド」なんだと思いました。
















元々マンガ家志望だった岩井監督は、自身の絵を動かしてみたい
という気持ちもあって、監督自身が全編の絵コンテを作画。
その絵コンテを元に、まずエキストラの演じる実写の演技を撮影し、
実写の映像をトレースしてアニメ化する「ロストスコープ」という手法で
この作品を完成させました。

さらに美術監督は、あの「言の葉の庭」でも美術監督を務めた
滝口比呂志氏岩井監督の意向で、「言の葉の庭」のような
究極的な描き込みはせず、シンプルに影色で調整したとの事でしたが、
それでもやっぱり描かれている背景はとても美しいですグッド!

ちなみに、「言の葉の庭」は、アニメーションにおける背景の
概念を変えた
と言われている新海誠監督の作品で、
昨年夏には、海外の映像制作集団「CineFix」によって、
「映画史上最も美しいアニメ映画TOP10」の第1位に選ばれた作品ですキラキラ
「言の葉の庭」の紹介記事はこちら

とは言え個人的には、やっぱり岩井俊二監督
実写の方が良いな~と思ってしまいました。。

まあでも、「花とアリス」が公開されたのは2004年。
キャストも歳をとってしまっているので、前日譚となる物語を
作るとしたらアニメしか無かったんだろうな・・・と思いきや
アニメ化したのには別の理由があったようです。
















実はこの作品、前作が公開された直後から構想があって、
台本も書いていて、大体のストーリーは出来上がっていたのだそうですひらめき電球
ただ、当初の設定では、花とアリスの小学校時代が舞台だったので、
蒼井優鈴木杏が実演するのは無理だよねっていう話しもあって
アニメ化の方向で考え始めたのだそうです。

ただ、その後色々な事情から設定が中学時代になったので、
監督いわく「もし最初の段階で設定を中学生にしていたら、
実写でも撮れたなって思いますね(笑)。」
との事。

そう言われると、実写でも観てみたかったな~という気持ちが
沸いてきますが、アニメ化されて良かったと思うのは、
作ろうと思えばこの先も「花とアリス」の新作が作れること。
監督がいて、アリスがいると、もうそれで話が
次から次へと出てくる物語だったので、続きが浮かんできてしまって、
止めることができなかった。
と語っているので、
ぜひまた、新たな「花とアリス」を作って欲しいですビックリマーク


万人受けするような映画ではないと思いますが、
前作が大好きだったという方なら、間違いなく楽しめる作品ですグッド!
「花とアリス」未体験の方も、ぜひ試してみてほしい1本ですグッド!








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「花とアリス殺人事件」予告編




「花とアリス」予告編