日本では2015年5月に公開された韓国映画
「国際市場で逢いましょう」を観ました
気がつけば、かなり長いこと韓国映画を観ていなかったので、
ネット上で評価の高い話題作を探したところ、
この映画を見つけました
ぱっと見「ALWAYS 三丁目の夕日」っぽいので、
あまりにそっくりな映画だったら嫌だなと思いつつ、
しばらく様子見してましたが、その後の書き込みでも
好意的なものが多かったので、試し切りしてみました
韓国では歴代2位となる観客動員数1410万人を記録した大ヒット作。
第65回ベルリン国際映画祭パノラマ部門の正式出品作でもあります。
幼い頃、朝鮮戦争時の興南撤収作戦による混乱の中、
父、そして幼い妹・マクスンと離れ離れになり、
母と残された2人の弟妹と共に避難民として釜山で育ったドクス。
成長したドクスは父親の代わりに家計を支えるため、
西ドイツの炭鉱への出稼ぎや、ベトナム戦争で民間技術者として働くなど
幾度となく生死の瀬戸際に立たされる。
しかし、彼は家族のためにいつも笑顔で必死に激動の時代を生き抜いた。
父親と最後に交わした約束のために・・・という感じの物語。
ぱっと見の印象だけではなく、実際のところ
この映画をつくったユン・ジェギュン監督は、
「ALWAYS 三丁目の夕日」を参考にしていると語っているらしく、
時代の大きな流れを、涙とユーモアを織り交ぜながら
描いていく感じや、全体的な雰囲気はとても良く似ています。
最初にあっ!と思ったのは、映画冒頭の、
蝶を追うようなカメラワークで国際市場を映し出すシーン。
「ALWAYS 三丁目の夕日」の1作目・3作目の冒頭にある
グライダーを追いながら東京の街並みを見せる手法を踏襲していて、
「ALWAYS 三丁目の夕日」に対するオマージュを感じました。
ただ、似ているのは雰囲気だけで、その内容はとても新鮮でした
映画の中では、興南撤収、西ドイツの炭鉱への派遣、離散家族との再会など
韓国の歴史上重要な出来事が描かれているのですが、
自分自身にとってはほとんど馴染みがなく、知らないことばかりでした。
ここまで現代史を貫通して描いた作品は韓国では初めてらしく、
韓国の歴史に対して視野が広がった気がします
そして、素直に笑い感動出来る、心温まる良作だと思いました
特に、家族のために自分自身を犠牲にしていくドクスの生き方は印象深く、
その犠牲の上に、他の家族の夢の実現や、その子供たち孫達の
人生があるという描き方は、とても感動的でした
実は、この映画の主人公・ドクスは、ユン・ジェギュン監督の
お父さんがモデルになっています。ドクスという名前や
ドクスの奥さんのヨンジャの名前は、監督のご両親の名前を
そのまま使っています。
監督のお父さんは、この映画の中のドクスのように、
生涯家族のために働き続け、自分のためにお金を使うのを
見たことがなかったそうです。そのお父さんは、定年後
株で失敗してしまい、「何も遺してやれず申し訳ない」と言って
亡くなったそうですが、当時の監督は父親を理解する事が出来ず、
最後まで「ありがとう」と言えませんでした。
その後、自分自身が父親になって、初めてお父さんの
気持ちが分かった監督は、お父さんに「ありがとう」と言えなかった事を
申し訳なく思い「いつか父に感謝する作品を作りたい」と思い続けていた
そうですが、ようやくそれを形にすることが出来たのがこの作品です
単なる作り話だとしたら、この映画の主人公を見て
「こんな人いる

」と思ってしまったと思うんですが、
監督自身が見てきた父親の姿を描いているので、
説得力もあり、リアリティもあります。
そして、描写の仕方の中に感謝や尊敬の気持ちがこめられているため、
感動としてこちらに伝わってくるのかもしれません。
何となく、自分の夢を叶えたり、なりたかった自分になれたら
幸せになれるように思ってしまいますが、
こんな風に、誰かの夢のために自分の夢を諦めるという生き方も、
ひとつの幸せのカタチなんだな~というのは、学んだ気がします
あと、この映画にはナム・ジンという実在の歌手の役で
東方神起のユノ(ユンホ?)さんが出ていますよ。
個人的にはあんまり興味がないので、こんな扱いですが、
ファンの方にとっては、見所ですよね
一つだけ、この映画の中でどうしても気になってしまうのは、
老人になったドクスの特殊メイクが甘すぎると感じた点です。
このメイク、後で調べたら「007 スカイフォール」でもメイクを手掛けた
スウェーデンの特殊メイクチームと共同で作り上げたもので、
4時間以上もかけてメイクした労作なんだそうです。。
でも、いかにも「カツラをかぶって特殊メイクしてます」
っていう感じのクオリティなので、戦争や街の描写と同じくらい
もう少し追求して欲しかったです。。
まあでも、終盤になったら見慣れてきましたが。。
韓国映画の好きな方や、東方神起の好きな方はもちろん、
情緒豊かな味わい深い感動作を観たい時にはオススメの映画です

「国際市場で逢いましょう」予告編
「国際市場で逢いましょう」を観ました

気がつけば、かなり長いこと韓国映画を観ていなかったので、
ネット上で評価の高い話題作を探したところ、
この映画を見つけました

ぱっと見「ALWAYS 三丁目の夕日」っぽいので、
あまりにそっくりな映画だったら嫌だなと思いつつ、
しばらく様子見してましたが、その後の書き込みでも
好意的なものが多かったので、試し切りしてみました

韓国では歴代2位となる観客動員数1410万人を記録した大ヒット作。
第65回ベルリン国際映画祭パノラマ部門の正式出品作でもあります。
幼い頃、朝鮮戦争時の興南撤収作戦による混乱の中、
父、そして幼い妹・マクスンと離れ離れになり、
母と残された2人の弟妹と共に避難民として釜山で育ったドクス。
成長したドクスは父親の代わりに家計を支えるため、
西ドイツの炭鉱への出稼ぎや、ベトナム戦争で民間技術者として働くなど
幾度となく生死の瀬戸際に立たされる。
しかし、彼は家族のためにいつも笑顔で必死に激動の時代を生き抜いた。
父親と最後に交わした約束のために・・・という感じの物語。
ぱっと見の印象だけではなく、実際のところ
この映画をつくったユン・ジェギュン監督は、
「ALWAYS 三丁目の夕日」を参考にしていると語っているらしく、
時代の大きな流れを、涙とユーモアを織り交ぜながら
描いていく感じや、全体的な雰囲気はとても良く似ています。
最初にあっ!と思ったのは、映画冒頭の、
蝶を追うようなカメラワークで国際市場を映し出すシーン。
「ALWAYS 三丁目の夕日」の1作目・3作目の冒頭にある
グライダーを追いながら東京の街並みを見せる手法を踏襲していて、
「ALWAYS 三丁目の夕日」に対するオマージュを感じました。
ただ、似ているのは雰囲気だけで、その内容はとても新鮮でした

映画の中では、興南撤収、西ドイツの炭鉱への派遣、離散家族との再会など
韓国の歴史上重要な出来事が描かれているのですが、
自分自身にとってはほとんど馴染みがなく、知らないことばかりでした。
ここまで現代史を貫通して描いた作品は韓国では初めてらしく、
韓国の歴史に対して視野が広がった気がします

そして、素直に笑い感動出来る、心温まる良作だと思いました

特に、家族のために自分自身を犠牲にしていくドクスの生き方は印象深く、
その犠牲の上に、他の家族の夢の実現や、その子供たち孫達の
人生があるという描き方は、とても感動的でした

実は、この映画の主人公・ドクスは、ユン・ジェギュン監督の
お父さんがモデルになっています。ドクスという名前や
ドクスの奥さんのヨンジャの名前は、監督のご両親の名前を
そのまま使っています。
監督のお父さんは、この映画の中のドクスのように、
生涯家族のために働き続け、自分のためにお金を使うのを
見たことがなかったそうです。そのお父さんは、定年後
株で失敗してしまい、「何も遺してやれず申し訳ない」と言って
亡くなったそうですが、当時の監督は父親を理解する事が出来ず、
最後まで「ありがとう」と言えませんでした。
その後、自分自身が父親になって、初めてお父さんの
気持ちが分かった監督は、お父さんに「ありがとう」と言えなかった事を
申し訳なく思い「いつか父に感謝する作品を作りたい」と思い続けていた
そうですが、ようやくそれを形にすることが出来たのがこの作品です

単なる作り話だとしたら、この映画の主人公を見て
「こんな人いる


」と思ってしまったと思うんですが、監督自身が見てきた父親の姿を描いているので、
説得力もあり、リアリティもあります。
そして、描写の仕方の中に感謝や尊敬の気持ちがこめられているため、
感動としてこちらに伝わってくるのかもしれません。
何となく、自分の夢を叶えたり、なりたかった自分になれたら
幸せになれるように思ってしまいますが、
こんな風に、誰かの夢のために自分の夢を諦めるという生き方も、
ひとつの幸せのカタチなんだな~というのは、学んだ気がします

あと、この映画にはナム・ジンという実在の歌手の役で
東方神起のユノ(ユンホ?)さんが出ていますよ。
個人的にはあんまり興味がないので、こんな扱いですが、
ファンの方にとっては、見所ですよね

一つだけ、この映画の中でどうしても気になってしまうのは、
老人になったドクスの特殊メイクが甘すぎると感じた点です。
このメイク、後で調べたら「007 スカイフォール」でもメイクを手掛けた
スウェーデンの特殊メイクチームと共同で作り上げたもので、
4時間以上もかけてメイクした労作なんだそうです。。
でも、いかにも「カツラをかぶって特殊メイクしてます」
っていう感じのクオリティなので、戦争や街の描写と同じくらい
もう少し追求して欲しかったです。。
まあでも、終盤になったら見慣れてきましたが。。
韓国映画の好きな方や、東方神起の好きな方はもちろん、
情緒豊かな味わい深い感動作を観たい時にはオススメの映画です


「国際市場で逢いましょう」予告編










