テレビ朝日系列にて2012年10月から2013年3月まで放送された
テレビアニメ「新世界より」と、その原作本を紹介します!!

映画ではありませんが、個人的にアニメ映画化を熱望している作品で、
近年観たどんな素晴らしい映画と比較しても、
これほど唸らせる物語は無かったのでは?と思える内容
ですグッド!

以前このブログで、ある映画を紹介したところ、その映画の
プロデューサーさんからコメントを頂いて驚いた事があります。
もし、奇跡的に「新世界より」のアニメ製作関係者がこのブログを
読んで下さったとしたら、この作品の映画化を本気で検討して欲しいです
ビックリマーク
映画化を希望する理由は、この後ビッチリ書きますので(笑)

原作は、貴志祐介氏の同名ベストセラー長編小説で、
第29回日本SF大賞を受賞している作品です。

ちなみに今回けっこうネタバレしてます!
終盤の展開にも若干触れているので、
100%まっさらな状態で楽しみたい方はご注意下さいビックリマークm(_ _)m。
(TVアニメですが、テーマ分けは「日本映画」にしました。)


















千年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、
神栖66町には純粋無垢な子どもたちの声が響く。
周囲を八丁標(はっちょうじめ)と呼ばれるしめ縄で
囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。
それは「神の力-呪力」を得るに至った人類が手にした
一見平和と思える世界だった。

そんな神栖66町で、呪力の技を磨く子どもたちは
野心と希望に燃えていた。
隠された先史文明の一端を知るまでは・・・
という感じの物語。


















映画の好きな方に分かりやすく例えるなら「和製ハリーポッター」です。
内容もテーマも全く違うので、実際は別物ですが、
物語の構成要素の類似点が多い事や、子供たちの小さな冒険から始まって、
少しずつ破滅的なラストに向かっていく大きな流れ
大人によって隠されている秘密を、子供たちが紐解いていく展開などなど、
似ている部分が多いので、ハリポタと比較して語られる事が多いです。
(原作本ラストの解説でも対比が書かれていました。)
信じていたはずの世界が崩壊していく辺りは、
何となく「マトリックス」のようでもあります。

千年後の日本が舞台というと、一瞬「スターウォーズ」
コルサントのような、未来都市のイメージが沸いてきますが、
この映画で描かれる東京は、タトゥーウィンより酷い有様です。。
そして、舞台となる神栖66町(現在の茨城県神栖市の辺り)は
昭和初期の田舎のような田園風景。夕暮れ時に防災無線(?)から
流れる音楽など、のどかでノスタルジックな雰囲気は、
とても千年後の日本とは思えません。

この時代の人々は、呪力(超能力のような力)を使えることが
当たり前になっていますが、一体いつからそうなったのかはてなマーク
呪力を使えなかった人々はどこに行ったのかはてなマーク
そして、千年後の社会の仕組みは何を理由に構築されたのかはてなマーク
などが、この物語の骨格となる重要ポイントですw

この作品が素晴らしいと思うのは、このような世界になるに至った
千年間の歴史や、背景にある設定、科学的な説明などが完璧で、
ファンタジーでありつつも、現実的な説得力があるところです。
かなり飛躍した内容であるにもかかわらず、矛盾点が見当たらず
疑問がわいてきても、答えとなる説明がちゃんとあるから驚きです。

千年間の歴史は血塗られたもので、呪力を得た人々
呪力を持たない人々果てしない戦いの歴史ですが、
ようやく平和を取り戻したかに思えた、穏やかな社会は、
実は恐ろしい洗脳社会で、17歳まで人権を認められない子供たち
些細な理由で次々と惨殺され、まるでその人が初めから
いなかったかのように、人々の記憶は消されていきます。

「人が人を殺めない」仕組みが構築されていたはずなのに、
それは過去の人々によって、巧みにカムフラージュされた幻想で、
実は知らず知らずのうちに、子供たちまでもが
何の良心の呵責もなしに人を殺し続けていたという事実が
明らかになる終盤の展開は、衝撃的すぎて呆然とします。

最悪の事態を避けるために神経質になりすぎていた大人たちの行為が、
結果として最悪の事態を招いたという皮肉な展開も面白いですw

















この作品のテレビアニメは、
映像化の難しい原作を非常に高い完成度で、
しかも原作に忠実に仕上げることに成功していると思います
アップ
また、作品世界を的確に表現した音楽キャラクターデザイン
素晴らしいと思います。確かにそう思いますが。。
心底残念だと思うのは、アニメを観ただけでは、
この作品の本当の面白さが十分に理解出来ない
事です。


映像作品には時間的な制約もあるし、解説を多くすると
冗長な感じになり、テンポの良さが失われるというのは分かります。
だから「原作を読まないと分からない」と評価される映像作品は
珍しくありませんが、このアニメの場合
作品世界を味わうために最低限必要と思われる基礎知識
十分理解出来ないまま、どんどん進んでしまう
ので、
それなりに面白くはなって来るのに、それと同時に、
「?」の部分も雪だるま式に大きくなっていく感じで、
分からない事が多い分、感動や驚きや感情移入の深さが
かなり目減りしてしまいました。。

設定が非常にしっかりしているだけに、聞き慣れない単語も多く、
作品世界特有の考え方や社会制度なども難解なのに、
誰かのセリフで、サラッと1回説明する程度で終わっている事が多いので、
アニメだけを観ていると、重要なポイントを
見逃している事にすら気がつきません。。


「そこを分かってないと、この先感情移入出来ないでしょうビックリマーク
という内容が一瞬の映像表現で済まされていたり、
登場人物の重要な心の動きセリフがカットされていたり等々、
せっかく良く出来たアニメなのに、人にオススメしずらいというか、
DVDをかしたりしても「ちゃんとは分かんないだろうな。。」
と思ってしまうんですよね。。

自分の場合は、アニメを観ながら公式サイトの解説ムービー
「ことば辞典」も読んでましたが、
それでもイマイチよく分からず、全部DVDを観た後で、もう一度
第1話から見直し、1話観たら、その部分まで原作を読み進める
というやり方をして、ようやくこの作品の醍醐味が理解出来た感じです。

ちなみに、CSのテレ朝チャンネルでは、アニメ「新世界より」
より深く知るための情報番組「新世界よりクロニクル」
放映されていたようですが、DVDには収録されておらず、
Youtubeにもありません。
FC2に誰かがアップしたようですが、
著作権の問題で削除されたようですね。。
せめてこの番組がDVDに収録されていたら・・・と思います。

















そんなわけで、アニメ映画化希望なのですビックリマーク
「ガンダム」「エヴァンゲリオン」のように、テレビアニメ作品の
追加・再編集による3部作の映画化
をしてほしいんですよね。
分かりやすさテンポの良さのバランスは難しいと思いますが、
アニメだけを観ても十分理解出来るような作品
進化してくれたら嬉しいです
ビックリマーク
(新エヴァみたいに、全く違う内容にするのはやめてほしいですが。。)

「ロード・オブ・ザ・リング」のように、劇場公開版は
テンポの良さとのバランスをとり、DVD化の際に
大幅に内容を追加したエクステンデッド・エディション
別途リリースするというのも良いですねw


もしこのブログを読んで、この作品を観始める方がいるなら、
さっき書いた、1話アニメを観たらそこまで原作を読み進めるという
やり方がオススメですグッド!
原作だけではイメージしずらい、独創的な部分も多いので、
アニメと原作がお互いに補完し合う感じで、かなり分かりやすくなります。
現状では、それが最良の楽しみ方じゃないですかね。
良かったらぜひどうぞビックリマーク






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「新世界より」Prelude#1(約5分)





第二話「消えゆく子ら」予告





第十話「闇よりも」予告





第十八話「紅い花」予告