映画「人生に乾杯!」

2007年のハンガリー映画で、日本では2009年6月に
公開された「人生に乾杯!」をみました!!


ミニシアター系のヨーロッパ映画は大好きなので、
それだけで興味が沸きますが、
この映画はネット上での評価も高く、
内容的にも老人が銀行強盗をするという、
一風変わった物語だったので、かなり期待して観始めました。





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ヨーロッパの小国ハンガリー。かつて運命的な恋に落ちた
エミルヘディも、いまや81歳と70歳の老夫婦。
時代も変わり、年金だけでは家賃の支払いにも事欠く日々。

そんなある日、ヘディの大切なイヤリングまで借金のカタに
取られる事態に。見かねたエミルは年代物の愛車チャイカ
乗り込むとひとり郵便局へと出向き、ついに強盗を決行。

最初は当惑気味のヘディもやがて夫と合流、
ふたりは手を取り合って逃避行へと繰り出すが・・・
という感じの物語。





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拳銃を持って銀行強盗をする夫婦の物語ですが、
主人公が高齢者って事もあり、ちょっと微笑ましい感じの
落ち着いた雰囲気
です。強盗するときも紳士的な態度w
変装もせず、防犯カメラにバッチリ顔がうつっていたり、
滅多に走っていない珍しい車で逃走し、ナンバーも押さえられていたり。。
日本だったらあっという間に逮捕されると思うんですが、
運が良いのか、警察がとろいのか、この夫婦はうまいこと
包囲網をすり抜け、今までの苦しい生活では叶わなかった
高級ホテルへの宿泊や、ショッピングなどを楽しみながら、
悠々と逃げ回ります。


派手なアクションなどは無いものの、物語の展開には
意外性があり、老夫婦のキャラクターも魅力的で
最後まで引きつけられる面白さがありました。



よろよろしていて、一見無力に見える主人公の老夫婦が
意外としたたかで、警察や世の中を出し抜いていく様
観ていて気持ちいいですグッド!


2人の行動は、やがて社会(とりわけ老人たち)の
共感を呼び、拳銃で脅された銀行員や店員までもが2人を擁護。
映画を観ているこちら側も、
「長い間苦労してきたんだから、ちょっとくらい楽しませてあげたい」
という、妙な気分にさせられ、
いつの間にか2人に共鳴してしまうから不思議です。


年金制度を含めた、老後の生活保障のあり方などについて、
サラッと問題提議するなど、社会派映画としての
一面も持っています。





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難点を言えば、映画冒頭の1950年代のエピソード
妙な編集のせいで、その後登場する老夫婦とすんなりリンクしない
ところがちょっと残念です。

もちろん大体予想はつきますが、過去の2人を語るシーンと、
現在の2人を語るシーンの間に、何の脈略もなく
警官たちのパーティのシーン
挿入されてしまっているために、つながりがあやふやになり、
直感的に理解しづらい感じになってしまっている気がします。






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終盤、こんな悲しい終わり方をするのかと、
かなり切ない気持ちにさせられましたが、最後の最後で
またまた2人のしたたかさを見ることが出来て、
内心ニヤッって感じでしたw。

突っ込みどころは色々ありましたが、思った以上に
楽しむ事が出来た作品です。
この映画は、自分自身が老人になった時に観直したら、
今より気持ちいいんじゃないかな
と思います。

良い映画だと思いますグッド!








「人生に乾杯!」予告編