言葉に出さなくても分かる

何も言わなくてもわかる

 

暗黙の了解・・・

 

でも

なぜだろう

さみしい

この気持ちはどこからうまれたのか

俺にはわからない

何故寂しいのか

 

それでも俺を必要とし愛してくれてるから

そばにいる

 

でも限界が来た

ある日ついに言葉にした

Mew『もう潮時だと思う』

そうして恋人とは別れた

あんがい気持ちは沈まなかった

 

俺の恋愛ってこんなもんだったのかなぁ・・・・

 

                         

                      

 

 

 

 

数年後

 

海外勤務から帰ってきたときにオフィスにいた

新入社員に心を奪われた

久々の恋だった

 

笑顔が可愛くて愛らしかった

でも俺は近づかなかった

 

俺はゲイだし彼は人気者だった

周りには常にだれかがいた

近づくきっかけもなかった

 

俺には彼が遠い存在だった

同じ部署なのに

 

一人デスクワークしていると彼は近づいてきた

gulf『コーヒー飲みます?』

Mew『へ?』

gulf『コーヒー飲みます?』

Mew『あぁ・・・・いただくよ・・・』

 

初めての会話だった

 

彼はコーヒーを持ってきて隣に座った

Mew『??』

gulf『邪魔しないのでいてもいいですか?』

Mew『かまわない・・・』

 

沈黙の時間が過ぎる

カタカタとキーボードの音だけ

 

彼はずっとそばにいた

居たたまれなくなり声をかけた

 

Mew『帰らないのか?』

gulf『一緒に帰ります』

むせる俺

心配してみる彼

気を取り直して俺は彼に言う

Mew『俺はまだ仕事する』

動揺隠さないと・・・・

彼は俺を見てにこりと笑う

gulf『待ってます』

明日からまた海外へ行く準備もあり集中したい俺は突き放すような言い方で彼に言う

Mew『帰りなさい』

gulf『帰りません』

彼はかたくなに拒む

ため息つく俺

首をかしげる彼

 

Mew『一人になりたいんだけれど』

gulf『・・・・・・』

Mew『・・・・・・』

彼の姿はどこか寂しさを感じた

 

でも今は集中したい

そう思う俺

 

gulf『分かりました』

鞄を持ってオフィスをでる彼

 

深く椅子に座り背もたれによりかかる

 

Mew『はぁ・・・・』

 

人懐っこいのか

さみしがり屋なのか

猫みたいだなぁ・・・

 

俺は一人終電がなくなるまでオフィスにいた

 

Mew『臆病すぎるな・・・・でもいまさら恋なんてできない・・・・してはいけない』

 

コーヒーを片手に窓ガラスの方へ行き額をガラスに当てる

月明かりと街の明かりでオフィスは神秘的だった

そんな姿を彼に見られているとも知らずに

 

翌日から俺は出張で海外に出ていた

 

周りは俺の存在すら気付かなく仕事をしていた

彼一人俺のことを捜していたなんて知りもしなかった

 

ある日部長から電話があった

俺一人で仕事は負担が大きいからという事で一人こっちに来るという事だった

その際空港まで迎えに行くことと一緒に暮らせという指示があった

俺は海外勤務が年の半分あるためこっちにマンションを借りている

 

もともとあと半年で海外部署に異動が出ているためほぼ荷物はこちらにあるのだがいまさら部屋を一つ開けろと言われても・・・・

そう思う俺は大掃除を始めた

いろんなものが出でくる中、元カレとの品物も出てきた

Mew『懐かしいな・・・』

でも何も未練はなくゴミに出した

結局引きづることなく俺の恋愛って終わったんだなぁとテラスでコーヒーを飲んでいたら

迎えに行く時間だった

Mew『やばいやばい!!!』

 

急いで空港について待ち合わせ場所に行くとそこには彼がいた

gulf『へへ・・・(⌒∇⌒)』

 

俺は周りの人の目を気にしないで抱き上げていた

Mew『こんなところまで追いかけて来るなんて・・・』

gulf『だって・・・一目惚れしたから・・・』

 

2人はそれ以上何も言わずただキスをして微笑み合った

そうまた暗黙の了解

でもそれは幸せに満ちた暗黙の了解

 

Mew『俺も一目惚れした・・・gulf』

gulf『知ってた・・・顔に出やすいの知らないの?Mew♡』

Mew『へ?』

 

無自覚なMewは実はgulfをよくちらちら見ていたのを気付いていなかったのである

その姿が普段のクールな姿からは想像できないぐらい愛らしく思い好きになったgulfであった

 

end