気分を晴らす為BARに来た
バンドメンバーがいた
いつものようにセッションを始める
«はぁ……»
モヤモヤは残る
でも気分は晴れる
«ん……?なんか見られてる感じが……»
あんなに見つめられたことない……
気持ちが良かった
チラッと見ると彼は……
微かに微笑んでいた
そしてその顔は真っ赤だった
«可愛い……気になるな……»
演奏が終わり彼に話がしたくなった……
彼に近づきたい……
『 Mew~!今日演奏ちょ~良かったよ~!!歌ってたしどうしたの!?!?』
こいつはヴォーカルのLhong
人懐っこいのがたまに傷
『 離れろ!ばか!』
モタモタしていたら
彼はいなくなっていた
慌てて追いかけるが
姿は見えなかった
«……はぁ……逃した獲物デカい……»
通ったかどうか分からない道を
ただ見ていることしか出来なかった
★
それから俺は出張やら残業やらでバタつきいつものリズムに戻るには2ヶ月後だった
カランカラン~♪
いつものように
片手にカバンと新聞と上着を抱え
片手でカフェの扉を開ける
『 マスター久々☺』
マスター『お~いつもの?』
『 濃いヤツちょうだい😅』
いつもの席に座る
『 はぁ……』
新聞を広げて次の記事を
見ようとめくる
その時、向かいのテラスに
1人ポツンと座る男性を見つけた
それも寂しそうな……切ない顔……
そして彼はため息をつく
彼の見つめる先に俺がいたらどんなに幸せなんだろうか
彼の笑顔をみたい……
幸せにしたい……
そして俺は気づいた
«あの時の彼だ………………»
運命を感じた
でも話すキッカケがない……
ただ俺は思いのほか
すぐに行動するタイプだったみたいだ
気がついた時には
俺は彼に声かけていた
『 ここ……よろしいですか……?』
彼の見つめる先には俺がいる
……また出会えた奇跡を……
この恋を必ず実らせる
絶対に彼を俺のものにしてやる
俺は彼に恋したのだと
はっきりわかった瞬間だった
恋はするものじゃない
恋はおちるもの
その通りだよな……