RMGは少し言葉を選ぶように、契約終了までの話を始めた。

「ただ、申し訳ありませんが当初の契約通りの11月末までと言う訳には…
我々にも準備がありますし2,3ヶ月は時間を頂きたいのです」





それはそうだ。
残り1ヶ月じゃ何もできないだろう。
年末年始の酒販売の事もある(オーナー交代時は新オーナーが申請し直す必要がある=許可されるまで販売できない)。


アルバイトでも長期間働いていれば、数ヶ月前には退職について相談してくるのに、いい大人なオーナーが駄々こねちゃいけない。


それにこちらも契約書の期限までに進退の意思表示はしたが、あくまで軽~くだし。

その後の交渉で迷いもした。

考えるとも答えた。

明確な意思を示して無いわけだから、最後の責任として本部の言う期限まではやらなくちゃとは思っていた。



いや、心の奥底には年末商品を売り切った12月までで…って思いはあったが、それは虫が良すぎるだろうとも思っていた。



私は解りましたと答える。



これで後は契約終了までの実務的な話になると思っていた。



が、RMGは



「それとですね、前回の商談で少しだけ話していた販促費についてですが…」



と契約終了までの段取りではなく現契約での話を続けた。